当時を思い起こすように語る。

イ・ビョンホン 撮影/吉岡竜紀
イ・ビョンホン 撮影/吉岡竜紀
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ほかにも、体調を崩されて、どうしても会場には行けないという方から“同じ日本の空の下にいるというだけで胸が高鳴ります”というお手紙をいただいたこともありました。いつも、事情があって会場にいらっしゃることができない方々にも何かできないかと考えています。そして、その方々のことも思いながらステージに立っています」

 届いたファンレターは、時間を見つけては読んでいるそう。それは、9年ぶりの出演となるドラマ『ミスター・サンシャイン』の撮影真っただ中の今も、もしかしたら……。

「10日間、地方で撮影をして今日1日オフだったんです。そして、ここにいます(笑)。実は、ドラマ『オールイン 運命の愛』から『IRIS-アイリス』も7年くらい間があったんです。今回も同じように映画の作業をはさんで9年ぶりになりますね」

 1800年代後半から1900年代前半の韓国(朝鮮)を舞台に、アメリカに渡った少年が米国海兵隊の軍人となって祖国へ戻り、出会う人々との物語を描く。

「今回は、事前制作なので、少しは体力的に余裕があるかなと思っていたんですが、ハードな撮影が続いています(笑)」

 撮影を乗り切るため、特別にしていることがあるかを聞くと、

「何もないんです。だから問題なのかな(笑)」

 場を和ませてくれる。変わらないシャープなフェイスラインを維持する秘訣は? と続けて尋ねると、

ありがとうございます。ガムをよくかむことかな(笑)。冗談ですよ

 いつも目の前にいる私たちを笑顔にしてくれる彼に聞いた、エンターテイナーとは?

簡単に言えば楽しさだと思います。その楽しさにもいろいろな種類があって、悲しい話を演じても、それが見る人にとってカタルシスを感じれば、楽しさになる。ストレスを発散できるくらい爆笑するのもそう。いろいろな感情や感動を伝える、メッセンジャーがエンターテイナーだと思います」

 少しテレた顔でそう語ると、ファンイベント用の映像を撮影するためにスタジオへと消えていった。友達のように、仲間のように、みんなと共有する思い出を作るために。

ビョンホンからのメッセージ

 違う空の下にいたとしても、僕はそばにいます。みなさんが変わらず待っていてくださることで、いつも支えてもらっています。だから、僕も、みなさんを支える存在でいたいんです。大変なとき、つらいとき、思い出してください、そばにいる僕のことを。このことだけは、忘れないでください。