外食やお酒も上手にセレクトすればOK

 ダイエット中の大敵といえば仕事関係、友人からの外食やお酒のお誘い……。

アルコールを飲む場合、ビールなどはホップと麦芽だけでつくられたものを選びましょう。米とコンスターチが入ったビールは、糖質が高くなるので避けること。醸造酒よりも蒸留酒のほうが糖質は少ないので、焼酎のお湯割りやソーダ割りなども大丈夫。外食なら肉や魚介類をオリーブオイルで調理することが多いイタリアンは断糖向きですが、パンやパスタは食べないこと。果糖もNGですから、流行(はや)りのスムージーなどはもってのほかです(笑)。いちばんのおすすめは、好きなものを注文できる居酒屋です。刺身や焼き魚、アサリの酒蒸し、ヤキトリなどをつまみに焼酎というのがおすすめオーダーですね」

西脇俊二医師 撮影/北村史成
西脇俊二医師 撮影/北村史成
すべての写真を見る

 そのほかコンビニ食も「断糖の知識を持って、糖質の少ない商品や食材をセレクトすれば問題なし」といううれしいお言葉!

「断糖ダイエットは糖質摂取量を減らすだけでなく、運動も取り入れるため、1度、理想の体重、体脂肪にたどり着けば、リバウンド知らずです」

 つまり体重や体脂肪率を自在にコントロールできるダイエット法なのだ。

「人間の行動の大部分は、潜在意識で決まると言われていますから“糖質は毒である”と脳に刷り込むことがダイエット継続のカギ。タバコやアルコールなどへの依存も、いかにそれが自分に悪影響を与えるのかの知識を得ることが大事です」

 と精神科医の立場から成功の秘訣を語ってくれた。糖質=美味しい! から糖質=悪いヤツ! という頭の切り替えからスタートすることが、なにより重要なようだ。

ライターは見た!著者の素顔

 ドラマの医療監修者としても知られる西脇医師。 中居正広さん主演の『ATARU』ではサヴァン症候群の特徴的な癖や行動、仕草などを提案し採用された。また、「主人公と同じ症状を持つ私の患者さんの協力を得て、俳優さんと直接会ってもらうことが多かったですね」と振り返る。ドラマの医療監修から糖質制限の食事療法、難病治療など活躍の場は幅広い。豊富な医療知識はもちろん、自身の経験を交えた興味深い話の数々に時間を忘れる取材となった。

<プロフィール>
ハタイクリニック院長。精神科医師、認定産業医。日本アーユルヴェーダ学会上級教師。弘前大学医学部を卒業後、国立国際医療センター精神科に勤務。その後、数々の医療機関を経て、2009年より現職。漢方医学やアーユルヴェーダ医学、超高濃度ビタミンCや糖質制限の食事療法での治療を行う。ドラマの医療監修も担当。著書に『ビタミンC点滴と断糖療法でガンが消える』(KKベストセラーズ)など多数。

(取材・文/松岡理恵)