高い給料をもらっても、やりたくない仕事は幸せか

 たしかに社会的信用が高い肩書きがあってたくさんお金も貰える仕事でしたが、そこだけにとらわれて自分の生き方まで「こうじゃなきゃいけない」とがんじがらめに縛ってしまったのでは、「人生を幸せに生きる」という意味では本末転倒です。

 高い給料を貰ってやりたくない仕事を毎日させられている人より、お金はないけれど自分の好きな歌を路上ライブで披露している人のほうがずっと幸せでしょう。

「自分が本当にやりたいこと」「新しいこと」に好奇心を失ってしまうことのほうが「怖い」と思ったんです。

 大学のネームバリューだけにこだわって自分の人生をそれだけに託してしまったり、肩書きだけにこだわり続けてそれで可能性にちっとも目を向けないのはもったいない。もっと大きな幸せや自由な生活が待っているかもしれないのに。

 それで失敗してもいいのです。失敗したってゼロに戻るだけですから、マイナスではない。僕自身、大学受験も公認会計士試験も1発で合格したわけではありませんし。起業したときも、「でもまぁダメだったら地元に帰ってもう一度起業の勉強し直せばいいかな」と思っていました。

 大切なのは期待した結果が出なくても予期せぬことが起きても、そこだけにとらわれないこと。「そういうこともあるか」と考えられるかどうか。

 そのためには良い結果、だけじゃなくて「最低最悪の結末」もイメージしておくことです。期待した結果にこだわって大失敗してしまう人というのは、成功のイメージばかりで失敗のイメージを持てないことが多いものです。

 最悪の結末も想像して「ま、いいか」と思えたらチャレンジするべきですし、万が一それで失敗しても、立ち直れます。

理不尽な人たちとどう向き合うべきか

 これは他人に対しても同じです。自分と考えや意見が合わない人に対して「そういう人もいるんだな……」と考えます。世の中には色んな価値観を持っている人がいるし、信じられないことをする人がいるし、理不尽なことを平気で言える人も現実としてゴロゴロいるわけです(笑い)。だからこそ「そういう人もいるよね」「まぁとんでもないことも起きるよね」と考えられたら、無駄な衝突やストレスも生まれません。