ラジオ業界に救世主!?

 木村拓哉がパーソナリティを務めるラジオ番組『What's UP SMAP!』(TOKYO FM)が7月27日に最終回を迎え、23年間の歴史に幕を下ろした。 

 これでテレビ、ラジオを含めた番組名から『SMAP』の文字は消えたことになる。

 そして、8月5日から、時間をお昼に移して、新番組『木村拓哉 FLOW』がスタートする。同時にネット番組『木村さ~~ん!』(GYAO!)も始まる。

 木村にとっては初のネット番組でもあるのだが、実は今回、ラジオとネットがコラボして番組を展開することになっている。

「いわゆるメディアミックスですが、ラジオ番組でリスナーから“木村拓哉にチャレンジしてもらいたいこと”を募集して、その中から木村さんが選んだものを、ネット番組で披露するという形です」(情報誌記者)

 独立した3人は早くからネット番組に進出。現在は月1回のレギュラー番組もある。

「ネットメディアへの参入を着々と推し進めているジャニーズ事務所が、ある意味“大御所”の木村を投入したということは『新しい地図』をかなり意識しているのではないでしょうか」(スポーツ紙記者)

 しかし、今回、ラジオとネットが手を組んだ背景にはそれ以外に、もう少し複雑な事情があった。在京ラジオ局社員はこう語る。

「ラジオはテレビとくらべると、番組スポンサーを獲得するのは楽じゃないんです。それはテレビと比べると広告効果がはるかに低く、効果測定もしにくい。

 それで最近スポンサーが言い出したことが、広告のビジュアル化とデータ化、つまり動画展開をできないかということなんです。ということでYouTubeやネット番組、SNSとの連動してはどうかという話が出てきました

 だが、スポンサーのそんな要求にラジオ局の営業は頭を痛めているという。

「これまでも、ラジオ番組がネット動画と全面的にコラボするなんていう企画は通りにくかった。ラジオ局には、伝統を守りたい“守旧派”が多くいるのも事実。ラジオというのは番組を作る側も、出演している側もその独自性にこだわりを持っている方々が多いですらかね。それゆえラジオの営業担当者が、スポンサーと制作現場のあいだで板挟みになっていた背景があります」(前出・ラジオ局社員)

 そこにきて、木村ほどのスターがラジオとコラボしたネット番組に出演することに。

ネット番組は勢いを増しているのは事実ですが、制作費やギャラの面でテレビにはまだまだ及ばないところがあります。ラジオと連動とはいえ、まさか木村さんほどの“大物”がOKするとは思いませんでした。

 これでラジオの聴取率がわかりやすく上がることも考えられますから、後に続くところがでてくるでしょうね」(広告代理店関係者)

 最近、「木村拓哉が変わった」という声がよく聞かれる。以前の木村からは想像できない姿を見る機会も増えた。

 “新生”木村はラジオ新時代の牽引役ともなるのか。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。