名物の食器は国際展示がされるほど

 そんなスガキヤの歴史は戦後すぐにさかのぼる。1946年、名古屋の中心地・栄で菅木周一前社長が『甘党の店』を開いた。その名のとおりの甘味処だったが、“食事もしたい”という客からの要望に応え、ラーメンも出すようになったのが2年後。このときに『寿がきや』と店名をチェンジした(現在はスガキヤ)。

看板キャラクターのスーちゃん
看板キャラクターのスーちゃん
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 '58年には、看板キャラの“スーちゃん”が誕生。やがて右手にラーメン、左手にはソフトクリームを持つスタイルに。さらに同年、女性はまだラーメン店に入りにくい時代だったことから“女性に奉仕”をモットーに女性専用店をオープン。かなり個性的な取り組みは好評を博し、その店舗数も拡大していったという(ただし、現在はない)。

 スガキヤ名物“ラーメンフォーク”が誕生したのは'78年のこと。

「スープを飲むためのスプーンと、麺をすくうためのフォークが合体したもので、スガキヤのシンボルともいえます。前社長が考案しました」

MoMAに展示もされているラーメンフォーク
MoMAに展示もされているラーメンフォーク

“ウチはケチガキヤだ”と公言するほど倹約家だった前社長。毎日、大量に捨てられる割り箸に心を痛めていたことから誕生した。

 2007年には年齢や障がいの有無を問わず誰もが使いやすいユニバーサルデザインに改良。製造は、同じく愛知に拠点を置くメーカーによる。そのデザイン性が高く評価され、なんとMoMA(ニューヨーク近代美術館)に展示されているというから、どえりゃあびっくり!

 かつては東京に進出したこともあったが、

「現在は閉店しています。正直、東京でこの価格を維持するのは難しいんですが、チャンスがあれば再び挑戦したいと考えています」

 今後は東海3県でさらに店舗数を増やしながら、全国各エリアへの出店も検討していくという。

「安くて早いのは当たり前。安くていいものを提供したい。そして、子どもからお年寄りまで、あらゆる年代のお客様に愛される店を目指しています」


※表示価格はすべて税込みです