確かに離婚を経験していない家庭の子どもに比べると、しなくてもいい経験をしたと言えるでしょう。しかし、子どもにとって母親がどんな存在であったのかを決めることができるのは、子どもだけであって、外野ではありません。また、親が頼りなかったことで、子どもが奮起するケースだってたくさんあります。キング・カズこと三浦知良や武田修宏は両親が離婚しており、経済的な困窮を経験しています。持って生まれた才能に加え、「豊かになってお母さんにラクをさせてあげたい」という気持ちや、孤独が厳しい練習に耐えるモチベーションに変わっていった部分はあると思うのです。

 具体的な行動を伴わない「子どもがかわいそう」発言は、悪口は言いたいけれど、心の汚い人と思われたくないから主語を子どもにすり替えるという、一種の“逃げ”ではないでしょうか。

MALIA.の凝りなさから見習うべきもの

 MALIA.の長男は、中学卒業後に家族と離れて、大阪の高校に進学したそうです。この時、ネットでは「母親がオトコをとっかえひっかえしてるから、家にいたくないんだ」とか「自分がオトコといちゃいちゃするために、長男を追い出した」という意見がありましたが、MALIA.のインスタグラムによると、長男はサッカーで国体の大阪代表に選ばれるほどの有力選手だそうです。母親と離れていても、目標を見失わず、きちんと結果を出しているのです。彼は「かわいそうな子」ではありませんし、MALIA.が「母親失格」だと私は思いません。

 安易な結婚や離婚を勧めるつもりは毛頭ありませんが、離婚を経験したものの、本当はもう一度結婚したいと思っているなら。もしくは、一人で生きていくことに不安や寂しさを感じるのなら、迷うことなく、婚活してほしいと思うのです。人に何を言われようと、人生は幸せになったもの勝ちです。MALIA.のようにヤバいと言われるオンナたちの懲りなさを、ぜひ見習ってほしいと思います。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。他に、男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。