8月30日の朝、自宅から出てきた“女帝”は報道陣に何も語らず

 スポーツ界のパワハラ体質はいったいどこまで広がっているのか─。宮川紗江選手の告発で、日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長が“女帝”としてクローズアップされている。

 一連の問題の発端は、8月15日に速見佑斗コーチが宮川選手に対する暴力行為で処分されたことだった。

 21日になって、宮川選手が弁護士を通して《パワハラされたと感じていません》という直筆文書を発表。指導継続を求める意思を明らかにした。

 29日に宮川選手が記者会見を開く。暴力行為があったことは認めながらも処分が重すぎると訴え、体操協会の幹部である塚原夫妻からのパワハラを告発した。速見コーチに処分が下される前の7月15日、彼女は塚原夫妻から味の素ナショナルトレーニングセンター(以下、NTC)内の小部屋に呼び出されたという。

宮川選手の証言は、かなり具体的でしたね。“暴力の話が出ている。あのコーチはダメ。だからあなたは伸びない。私なら速見の100倍教えられる”と詰め寄られ、暴力があったと証言するよう求められたそうです。

 彼女がそれを拒否して“これからも家族とともに先生を信頼してやっていきます”と言うと、“家族でどうかしている。宗教みたいだ”となじられたとも話しました」(スポーツ紙記者)

 宮川選手が塚原本部長からの高圧的な態度に恐怖を感じ始めたのは、2年前の冬だったという。

“2020東京五輪特別強化選手”という制度がスタートしたのですが、彼女は手を挙げなかった。強化方針が具体的ではなく先行きが不透明だというのが理由で、ほかにも参加を見送った選手が多くいました。もともと“ナショナル選手”という制度があるのに、なぜ新たな枠組みを作るのか、疑問の声が上がったのは当然でしょう」(前出・スポーツ紙記者)

 すると、塚原本部長から宮川選手の自宅に電話があり、「“2020”に申し込みをしないと協会として協力できなくなる。五輪にも出られなくなるわよ」と脅迫めいた言葉を突きつけられたという。

「その後、実際にNTCの使用が制限されるという事態に。宮川選手はしかたなく今年6月に参加したのですが、今度は塚原夫妻の『朝日生命体操クラブ』への移籍をすすめられたというんです。

 それで彼女は“最初から速見コーチの過去の暴力を理由に、コーチを排除して自分を朝日生命に入れることが目的だったんだと確信した”と話しました」(前出・スポーツ紙記者)

 宮川選手は「体操女子を変えるには本部長が代わるとか、何か手を打つことを考えなければいけない」と訴えた。18歳の少女がここまで踏み込んだ発言をしたのは、競技を続けられなくなるという危機感があったからだ。