受験期は子どもはストレスフルな毎日を送っているので、気持ちに寄り添い、テンションを上げて勉強できるようにサポートすることが大事です。女の子は、年頃ですので、きれいにしたい、身だしなみに気を使いたいと思うものでしょう。

 私の娘も、セミロングの髪の毛の手入れを大事にしていました。入浴に40分、髪の毛を乾かすのに40分もかけていました。その様子を見て、私は「もっと早くして!」と心の中で少しイライラしていました。

「切りなさい」とは言わなかった

 受験までの持ち時間は男の子でも女の子でも同じ。時間は無駄にはできません。けれどもそこで怒ったりはしませんでした。髪を切れば洗髪にも時間がかからなくなるでしょう。でも「切りなさい」とは言いませんでした。娘の気持ちもよくわかったからです。

 それで私は、娘の気持ちを尊重しつつ、勉強する時間を確保するために、高校3年の10月ころからは私が娘の髪を乾かし、その間に娘は英単語や古文単語のチェックをしました。

 センター試験まであと1カ月半ほどとなった高3の12月からは、一緒にお風呂に入り、髪の毛を洗ってあげることにしました。「洗ってもらうと楽~」と喜んでいましたよ。

 女同士だからこその楽しい会話もありました。世界史の勉強をするとき、あまり聞いたことがないカタカナは覚えにくいので、人名や芸術作品、遺跡などはネットで写真を調べていました。

 実際に見ると記憶に残るからです。「イギリスの詩人・バイロンはイケメンだね」などと娘とガールズトークで盛り上がりましたね。

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 今、娘は実家を出て三男と東京で暮らしています。夏休みでも部活や友人との旅行で忙しく、奈良の実家にはなかなか帰ってきません。

 青春を謳歌している娘は、7月に出た新刊本にこんなコメントを寄せてくれました。

「母がいつもそばにいてくれたので孤独を感じず、大学受験までがんばることができました。母はいつも元気で明るかった。奈良で暮らしていたときは、家族の日々の会話など日常生活すべてが楽しかった。『幸せな18年間だったなぁ』ってつくづく思います」

 私も子育ては我慢した18年間ではなく、子どもといるのが本当に楽しい時間でした。子育ての目標は子どもの笑顔。18年間育てさせてくれて本当にありがとうという気持ちでいっぱいです。これからは、自分自身の道を見つけた4人の子どもたちを遠くから見守っていきたいと思います。


佐藤 亮子(さとう りょうこ)「東大理IIIに合格した3男1女」の母 大分県で高校まで過ごし、津田塾大学へ進学。卒業後、大分県内の私立高校で英語教師として2年間教壇に立つ。その後、結婚。夫の勤務先である奈良県へ移り、以降は専業主婦。長男、次男、三男、長女の順で3男1女を出産した。長男、次男、三男の3兄弟が揃って、難関私立の灘中・高等学校(神戸市)に進学。大学受験では国内最難関の東京大学理科3類(通称「東大理3」)に合格。長女も洛南高等学校附属中学、洛南高等学校に進んだのち、東大理3に現役合格。著書に『「灘→東大理III」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』(KADOKAWA)、『佐藤ママの子育てバイブル 三男一女東大理III合格! 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)などがある。