もう、おらんとちゃうか

 別の住民によれば、実家には現在、母親と妹が2人で暮らしているという。

 地元には、あちらこちらに手配書が貼られている。学校でも配られているという。

「うちにも警察が2回ほど来てな、そのとき手配書を持って来たから、貼ってるのよ」

 と話す女性商店主は、

「5月の逮捕時には、市内でガレージを借りてたみたいなんよ。それも偽名で。そんなこともあって、このへんの空き家とかガレージとか、片っ端から調べてったで。あそこの大家さんは誰ですか、とか、そこの奥のところも見せてもらえませんか、言うてな。

 これはウワサやけどな、市内のファストフード店にも容疑者が女装して来たらしいで。警察が聞き込みに行ったって聞いたわ」

今年5月の逮捕前に撮影された樋田容疑者(大阪府警提供)
今年5月の逮捕前に撮影された樋田容疑者(大阪府警提供)
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 知らない土地を逃げているのか、土地勘のある地元にまぎれているのか。

「毎日約3000人の捜査員を投入し、ローラー作戦や関係者を当たるなどして現在捜査を進めている」

 と前出・捜査関係者。

 商店街やコンビニ近くを通れば、防犯カメラがその姿をもれなくキャッチする。

「レジに立っているときに来たら怖いですけど……(防犯カメラに映るから)来ないと思います」

 と大阪市内のコンビニ店員。防犯カメラの多い鉄道を利用した形跡はないという。樋田容疑者は慎重だ。盗んだバイク、自転車が逃走手段になっている。

「家のガレージでバイクをいじっているのは見たことがある」(近隣住民)ということから、バイク修理などはお手のものか。盗んで乗り捨てれば、いくらでも遠くへ逃げられる。

 中学時代の男子同級生の父親はこう見立てる。

「仲のいい友達もおったみたいで、警察もいろいろ尋ねたりしてるみたいや。ただ、みんなこのあたりには(樋田容疑者は)おらんと思ってるんちゃうか。警察も目を光らせているし、とても地元には帰ってはこれんはず。もう遠くに逃げてしまったやろう」

 次の事件が起きる前に一刻も早く捕まることを願う。

 

※記事の内容を一部修正しました(2018年9月13日16時55分)