美和さんは、'13年2月の指導のきっかけになったメールのやりとりの一部とされる内容を、道が証人尋問前に証拠として提出したことについて凝っている。

「これまで開示請求をしても、北海道は出してきていなかったのに、どうしてこの段階になって提出されたのでしょうか」(美和さん)

 裁判で証拠として提出された大輝くんのメールは、同級生部員で作るLINEグループ(大輝くんは参加してない)に、無断で貼りつけられていたものだ。アドレスも、メールの送受信に関する情報も記されていない。貼りつける際に書き換えられたり、改変されたりしている可能性が否定できない。

 このメールの信用性について原告側が問いただすと、道側は、はっきりとした回答は避けた。

 次々と隠蔽疑惑が浮上するような状況では、学校が説明責任を果たしているとは言い難い。はたして事実を解明できるのか? 裁判は11月にも結審される予定だ。


取材・文/渋井哲也
ジャーナリスト。教育問題をはじめ自殺、いじめなど若者の生きづらさを中心に執筆。東日本大震災の被災地でも取材を重ねている。近著に『命を救えなかった』(第三書館)