ここで気になるのは、ジャニーズ事務所の本体を仕切るメリー喜多川氏と娘のジュリー氏の動向。

「現在はもうジュリーさんが実権を握っていると見ていいでしょう。ただ彼女の目はテレビと映画に向いていますから、ジャニーさんが力を注ぐ舞台にはあまり興味がないと思います。そう簡単にお金にもなりませんしね(笑)。

 また、最近は、事務所のスタッフをヘッドハンティングして、経理部門には元銀行関係者、不動産部門には元不動産関係者という専門分野に強い人を外部から入れているようです。これは、弱体化した事務所の立て直しというだけでなく、個人商店だったジャニーズ事務所を“企業”に脱皮させようとしているんじゃないでしょうか」(元ジャニーズ事務所関係者)

 そのため本社を移転させ、新社屋に系列会社がすべて集合すると言われていたが、いまのところその様子が見られない。

「渋谷のビルはそのままだそうです。件(くだん)の学校もそこに入るみたいですね。これで事務所内の『ジャニー』部門と『メリー・ジュリー』部門の住み分けがはっきりしました。

 かといって、一部週刊誌に書かれていたような『ジャニー派』と『メリー・ジュリー派』の対決が始まるということはないですし、お互いにウィン・ウィンの関係ともちょっと違います。二極化、あるいはホールディングスのような形でひとつの組織に、会社がふたつできるということなんじゃないでしょうか」(週刊誌記者)

 滝沢がジャニー氏の後を継ぐことで、“ジャニーズ帝国”が大きく生まれ変わるのか、それとも……。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。