5月14日に是枝裕和監督の『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞した。日本人監督の作品がパルムドールに輝いたのは、今村昌平監督『うなぎ』(1997年公開)以来の快挙である。

「樹木さん演じる初枝のまわりの家族は、彼女の意見を受けてつくりあげていったそうです。監督はとにかく樹木さんと、彼女の演技に頼っていたんです」(映画評論家)

 そんな家族とのつながりを演じた樹木さんだが、実際はどんな家族がいたのだろう。また、どんなおばあちゃんだったのか。

「お孫さんのことが大好き」

よく家の前でイスに座って、路上で孫が遊んでいるのを見ていましたよ。本当に孫がかわいくてしょうがないという感じでした」(近所の住民の女性)

 彼女が20年以上通い続けた東京・西麻布にあるヘアーサロン『カットアンドカットヒラタ』の従業員によると、

「孫の話をするときは楽しそうでした。今やモデルとして活躍するUTAくんを店に連れて来たこともありますよ。UTAくんがデビューしたときにスポーツ新聞にそのことが掲載されたのですが、ウチにあったそのスポーツ新聞を“コレ、もらっていい?”と行って持って帰るほど、お孫さんのことは大好きだったんだと思います

 やはり大女優も、舞台を降りれば普通のおばあちゃんだったようである。

 実の子よりも孫はかわいがるとはよく言うが、一人娘の内田也哉子とはどうだったのか。樹木さんが30代のころ、毎日のように通っていたという渋谷にある飲食店『魚力』の鈴木佳子さんによると、

「まだ小さい也哉子ちゃんをよく連れて来てましたよ。初めて連れてこられたときに、ウチのおばあちゃんが“キリンと子キリンが来たよ!”って言ったんです。2人で仲よく渋谷の街へ買い物に行ったり、NHKの仕事の帰りに合流していたようですね」

この店では約20年後にもこんなことが

「也哉子ちゃんが本木さんと結婚したときにもふたりを連れてきてくれました。そのときに也哉子ちゃんは魚の料理の仕方がわからなかったみたいで、“コレ私、できない”って言ったら、本木さんが“ならボクが作るからいいよ”って言ってました。本当にやさしいですよね。それで、うれしいことに本木さんは2年前に番組の企画でまた来ていただいたんですよ」(鈴木さん)

 樹木さんを中心に、新たな家族ともつながっていたようだ。

 では、43年にもわたり別居生活を続けるという、奇妙な夫婦関係にあった内田裕也とはどうか。

 樹木さんとの交流が30年以上も続く親友であるというブティック『PRESS601』の遠藤勝義さんによると

内田裕也さんも樹木さんに手を引かれる形で2回ほど来店されたことがあります。最後にいらっしゃったのは2年前でしたかね。ロックなイメージがある裕也さんですが、実際にお話をすると、紳士的な方という印象でしたよ」

 別居しながらもデートはしていたようだ。その一方で、前出の『魚力』にも顔を出していたようで、

「14、5年前からよく来ていただきました。樹木さんとは時期が違うんですが、一時は毎日来られていましたよ。いつも入ってくるなり“ロッケンロール!”と叫ぶんですよ(笑) でもプライベートなことに突っ込みたくないから、樹木さんが来ていたことは彼には知らせていません。

 だから、今でもそのことを知らないと思います。彼は毎回トマトにソースをかけて食べていましたよ」(前出・鈴木さん)

 『万引き家族』で最高の賞をとった樹木さんには、三者三様な家族との思い出があった。