改革を目指した貴乃花だったが、自身は理事から落選し、弟子は部屋を移らざるをえないなど、結果的にはよい方向には進まなかった。

 その改革のウラには、神事である相撲としては欠いてはならない“礼”が失われた場面が多々あったようだ。

「それまで世話になっていた親方衆とまったくの疎遠になったり、貴乃花一門がなくなった際も、弟子の親御さんに対し、なんの説明も挨拶もなかった。それは今回の自身の引退騒動でも、同様だったようです。

 貴乃花親方は親御さんからその子どもを預かっている身です。その状況で知らんぷりはいくらなんでも……。

 引退会見では“断腸の思いで”弟子を別の部屋に移したと話し、暴行事件でも“何よりも弟子を思って”というアピールをしていましたが、実際は、どれだけ弟子のことを考えていたのかわかりません」(相撲協会関係者)

 彼は会見でこの引退を“最善の道”と表現したが、それを女将として隣で見ていた妻の景子夫人は、暴走する夫から離れ、以前から夫とは違う“最善の道”を自らの手で整えている。

「現在、貴乃花親方は部屋があった場所で生活していますが、景子さんは都内の一軒家で暮らしており、別居状態です」(貴乃花部屋関係者)

自身の事業に熱心な女将さん

 今回、夫の一大事のさなか、夫人は何を─。

「景子さんは、所属力士の“母”として、女将さん業をしっかり務めてきたと思います。部屋の外では、一門の壁を超えて女将たち同士がつながる会を作ったり、精力的でした。

 しかし一方で、以前より自身の事業にも非常に熱心であったことも事実です」(前出・相撲ジャーナリスト)

 景子夫人は、女将でありながら、別の顔も持っていた。