占いは、好きですか? スピリチュアルなものに、興味がありますか? 夢を叶えたい時、恋人や結婚相手を探したい時に、占い、引き寄せ、神霊体験などのスピリチュアルなものにハマる人たちがいますよね。

 婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした男女の婚活事情を、様々なテーマ別に考えてゆく連載。今回は、『占いやスピ系にハマる人たちの結婚観について』考えたいと思います。

見えない力に頼るのもいいけれど……(写真はイメージです)

占い師のお告げで結婚、転居、離婚

 先日、入会面談に来た男性、井本晃さん(56歳、仮名)は、自営業のバツイチなのですが、お子さんがいないので、再婚してお子さんを望んでいました。

 井本さんのように40代後半、50代、60代になっても、お子さんを望んでいる男性がいます。人生はご自身のもの。お子さんを望むことは自由です。ただ問題は、そうした男性と“お見合いをしたい”と思う女性が少ないことです。

 お相手は、出産可能な年齢の女性に限られますし、年の差婚を実現させるためには、男性にそれだけの魅力が必要です。

 私がこう申し上げると、「半年前に離婚した元妻は、34歳でしたよ」と。やはり結婚相談所でお見合いをし、22歳という親子のような年の差婚をしたというのです。

 しかし、よくよく話を聞いてみると、結婚生活の実態がほとんどありませんでした。なぜ離婚になったのか、その理由がこうでした。

「彼女には、心酔している占い師がいて、お見合いする相手との相性をまずは観てもらっていたようです。それで、僕とは“非常に相性が良い”と言われ、お見合い後に交際に入って、すぐに結婚が決まりました」

 その相性の良い二人が、なぜ別れてしまったのでしょうか?

「結婚して、新居をどこに構えるかという話になったのですが、占い師が、『関西に行って生活をすると、非常に運気が上がる』と言ったらしいんですね。

 でも、僕の仕事の取引先や人間関係は、関東にある。関西に行ったら仕事にならない。それを彼女に伝えると、ひとりで大阪に行ってしまって、帰ってこなくなりました。結婚の実態がなくなったので、離婚になりました」

 結婚相手も住む場所も、占い師に言われるがまま。結局、相性が抜群にいいはずの男性とは、瞬く間に離婚となった。ここまで占いを信じていて、果たして幸せなのでしょうか?

 私は、彼に言いました。

「そもそも22歳差の結婚が可能になったのは、心酔していた占い師の教示があったからですよね。有名芸能人、大会社の社長、地元でも有名な資産家というような年齢差を凌駕(りょうが)する条件があって、女性が男性を見る目にバイアスがかからないと、親子のような年の差婚は難しいですよ」

「そうですか」

 結局その男性は、入会せずに帰られました。