元メンバーの山口達也脱退後、4人で再スタートを切ったTOKIO

 2018年10月11日、約2年遅れでオープンすることになった東京の豊洲市場。2年前『豊洲市場応援大使』に就任し、張り切っていたのが、TOKIOのリーダー、城島茂(47)と松岡昌宏(41)だった。

 ところが、小池百合子東京都知事の“待った”で、豊洲市場への移転が迷走したことは、多くのメディアに報じられている。2人の大使としての役目も白紙になった。

「すったもんだはありましたが、築地市場の老朽化は甚だしく、豊洲市場以外に代替地もなく、いずれ元のさやに収まるだろうと誰しもが思った通りの結論になりました」 

 と、通信社記者はやれやれと言った表情を見せる。

応援大使の代わりに……

 TOKIOの2人が就任した『豊洲市場応援大使』が今回、改めて復活することにはならず、2年前に立ち消えたままだ。東京都は2人が所属するジャニーズ事務所に何か補償、あるいは補填(ほてん)をしたのか。

 芸能界の事情にも詳しい都政ウォッチャーが、こんな見方をする。

「ジャニーズ事務所は、自分たちから補償しなきゃならない場合は率先して支払いますが、相手が補償をする場合は受け取らずに、また今度何かで、と言うそうです。太っ腹というか戦略的な事務所ですよ」

 と前置きし、ふに落ちる流れがあったと振り返る。

「移転が延期になった直後、東京オリンピック・パラリンピックのフラッグツアーのスペシャルアンバサダーにTOKIOが就任したのです」

 オリンピックフラッグとパラリンピッグフラッグが、東京都の区市町村をリレー形式で巡回し、その後、全国を回るというイベントの盛り上げ役で、現在は岐阜県内でフラッグのリレーと展示が行われている。

 TOKIOのメンバーは東京都内はもちろん、全国で行われるイベントにもスペシャルアンバサダーとして出席し、盛り上げ任務に汗をかいた。

 前出・関係者は続ける。

「東京都は、豊洲市場の問題でジャニーズサイドに迷惑をかけたという思いがあり、新たに五輪がらみの仕事を発注した。流れをそう見ると、いろいろふに落ちるんです」

 一般社会でもよくある、いわゆる穴埋めという業務であっても、仕事は仕事。

 TOKIOは東京オリンピック・パラリンピックのPRイベントで一定の役割を果たし、その間に豊洲市場は安全性を担保し、オープンにこぎつけた。めでたしだ。

<取材・文/薮入うらら>