“父の突然の死”を経験して

 そもそもこの仕事にたどり着いたのには“父の突然の死”が関係しているそうで、

「高校生のとき、父親とは別々に暮らしていたんですが、家を訪れたら玄関先で倒れていて。ヒートショックだったようで、すぐに病院に運ばれましたが、意識はありませんでした。最後に家族みんなで声をかけてあげると、涙を流して、その30分後に亡くなりました。それからしばらく後悔の念に駆られて。失ってから気づくことってあるけど、それでは遅いと学んだんです。そんなことを考えているうちに遺品整理の仕事があることを知りました

 本当に自分がやりたい仕事か試すため、数年は違う職業に就いていたと小島さん。それでもあきらめきれず、念願だったこの仕事に就いたという。

ミニチュアについて説明する小島さん。「この部屋の奥で、ゴミに埋もれるようにして女性が亡くなりました」。失恋、仕事の悩みなど、精神的ダメージによって誰にでもゴミ屋敷になりうると話す 撮影/齋藤周造

 入社して今年で5年目。小島さんが仕事、そしてミニチュアにかける思いは熱い。

問題は“孤独死”そのものよりも、見つかるまでの期間だと思います。大事なのはコミュニケーションをとること。例えばゴミ捨てのときに挨拶をしていれば、姿が見えなくなったときに“最近見ないけど大丈夫かな”と周りの方が気づいてくれるかもしれない。おしゃべりまでいかなくても、ひと言の挨拶だけでもいいんです。

 最近は孤独死する若い人も増えています。ミニチュアで表現したことは他人事ではなく、誰にでもなる可能性があること。その現状を知ってもらい、みなさんにも気をつけてもらいたい。そんなメッセージが伝わればいいなと思っています」

仕事に込めた、もうひとつの思い――

「私がこの仕事を始めたとき、業界では悲しみに打ちひしがれ疲れ果てた遺族につけこむ、悪徳業者がはびこっていて。許せないんです。私はお金のために働いていません。“(悪徳業者を)絶対つぶす!”というのをひとつの目標に、今の会社に入りました