母親なんだから、仕事をセーブして家にいるべき?

 総じてスターの家庭は、子どもに庶民の常識とはかけ離れたお金を与えているようですが、長嶋家、仁科家とヨシコの違いは、ヨシコが働いていてトップ女優だったこと。

 大河ドラマの主役、数々のCMに出演、『NHK紅白歌合戦』で司会を務めるなど、ヨシコの全盛期の活躍ぶりはすさまじく、高額納税者ランキング4年連続第1位と、まさに「日本一の女優」でした。これだけ仕事をしていたら、そりゃ、子どもと接する機会は減るのは当たり前です。

 ヨシコとて、何もしなかったわけではありません。自分が留守がちな分、子どもを寂しくさせないようにしようと思ったのでしょう。次男が最初に逮捕された時、『週刊文春』で、ヨシコの実母が一緒に住み込み、お手伝いさんもいて子どもたちの面倒を見ていたという記事を読んだ覚えがあります。

 しかし、思春期を迎えた男の子数人が家に出入りしていたとして、腕力と体格の成長いちじるしい彼らを、非力なおばあちゃんが叱ったら、彼らは素直に言うことを聞くと思いますか? 雇われている身の家政婦さんが「最近、次男の素行が悪い」と子どもの悪行をヨシコに言いつけると思いますか? どちらもNOでしょう。母親と息子、父親と娘のように異性の親子関係では接する際に、おのずと限界があります。こういう時こそ、男親の出番ではないでしょうか。

 母親なんだから、仕事をセーブして家にいるべきだと言う人もいるでしょう。しかし、女優のようにオファーがあってはじめて成立する仕事で、かつヨシコのように売れっ子の場合は何年も前からスケジュールが決まっていて、そう簡単に動かせるものではないでしょう。ヨシコの夫はNHKのプロデューサーだったわけですから、そういう業界の掟をよく知っているはず。それなら、協力してくれよと言いたい。家庭の不祥事で、いつも母親だけが責められるのは、どうしてなのでしょうか。

 考えてみると、次男も気の毒な部分がないとは言えないのです。なぜなら、世間知らずに育ってしまった上に、ヨシコというブランドが更生をはばんでいる可能性があるのですから。

 上述したとおり、覚せい剤は再犯率が非常に高い。NHK『おかあさんといっしょ』の歌のお兄さんだった杉田あきひろが覚せい剤取締法違反で逮捕されていますが、『AbemaPrime』(AbemaTV)に出演した際、覚せい剤という名前を聞くと「脳からよだれが出る感じ」と話しています。それくらい、薬物の快感は強く脳に刷り込まれているのでしょう。悪い人からすると、背後にヨシコが控えている次男は、薬物を売りつければ金づるになることが確実の絶好なカモで、狙われていると見ることもできます。次男は更生に関しては一般人の何倍ものハンディを背負っているともいえるのではないでしょうか。