貴乃花親方の引退によって貴乃花部屋が消滅し、一連の貴乃花問題が終結することになりました。大相撲ファンを二分する騒動だったのですが、今回の出来事を転機に協会は一枚岩でまとまることになるでしょう。

 貴乃花親方は日本相撲協会の改革を目指して活動してきましたが、それはかなわない出来事となりました。

 ここで本当は話題にしづらい話があります。しかしおそらくはこのタイミングで問題提起をしておかないともう二度と語るタイミングが出てこない“不都合な真実の話”です。

 言葉を選びながら今回の貴乃花問題の本質とも思えることを指摘したいと思います。

 誰でも手に入る情報で、かつなぜかマスコミは黙殺している話。それは「横綱の寿命は一般人と比べて極端に短命だ」という事実です。

 これについては、決して貴乃花親方のことを暗示するものでもなんでもないことを、最初に強くお断りしておきます。

 ここ数年を振り返ってみましょう。

 2011年、おしん横綱と呼ばれた隆の里さんが59歳の若さで亡くなりました。2015年に大横綱で現役の相撲協会理事長だった北の湖さんがやはり62歳の若さで亡くなっています。翌2016年には千代の富士さんが亡くなりました。享年61です。

時代のヒーローたちは若くして亡くなってしまう

 私の時代のヒーローたちが相次いでこの若さで亡くなってしまう。悲しいことです。しかし「なぜこの若さで?」と思う人は次のデータをご覧になってどう思われるでしょうか。

 戦後の土俵に上がった歴代の横綱、つまり双葉山から後の代の歴代横綱を調べると隆の里さん以前の25人の横綱のうち実に20人が既に鬼籍に入っています。

 平均没年齢は実は61歳。その年齢を超えていまでもご存命なのは栃ノ海さん(80歳)、北の富士さん(76歳)、三重ノ海さん(70歳)、二代目若乃花さん(65歳)の4人だけです。

 伊勢ヶ濱親方つまり元・旭富士関が58歳。八角理事長つまり元・北勝海関と芝田山親方こと元・大乃国関が55歳で、それ以降の横綱含めまだ還暦になっていらっしゃらない元・横綱はもちろんこのリストには入っていません。

 とにかくそれよりも年長の元・横綱の平均没年齢があまりに若い。