欠陥だらけの法律が人を傷つける

 ドラマの設定をまず説明しておきたい。

 政府がトンデモ法案を打ち立てる。それが「抽選見合い結婚法案」で、あっという間に両院で可決されてしまう。

 その中身は、25~39歳の独身男女(結婚歴も子供もナシ)は、地域ごとに無作為にカップリングされて、見合いを強制される。

 狙いは「少子化と非婚化の抑止」というが、実際には首相の収賄疑惑から国民の関心をそらすための目くらまし法案でもある。

 トンデモ、というのは、この強制的な見合いで、3回断ると「テロ対策後方支援部隊」に送り込まれ、2年間従事しなければいけないという点だ。

 この部隊の活動内容は一切知らされておらず、ネットに情報がひとつもない。つまり入隊しても、箝口令が敷かれているか、あるいは一切の自由を奪われているとしか考えられない。「除隊後は、現状の職場復帰を政府が保証する」というが、眉唾だ。

 ただし、参加者は条件をひとつだけ希望できる。自分が書いた条件に明らかに合わない相手と認められた場合は、断ってもカウントされない仕組みだ。

 これに恐怖を感じた人々はお見合いに積極的に参加し、結婚に向かって必死に動き始める。誰だって戦地や紛争地域、危険な目に遭う場所に行かされたくないからだ。

 どうすか、この法律。オンナアラート鳴るよね。

 そもそも、結婚したくない人は? 子供いらない人は? 子供産めない人は? LGBTQは? 逆に、40歳以上と前科者、在日外国人は、はなから除外されているところも酷い話だ。

 個人の自由と人権を完全に無視した法律に、オンナアラートどころか、ニンゲンアラート鳴りまくりですわ。