仲人さんは続けました。

「おつきあいが始まった頃から、健康のためにもダイエットを頑張ると言っていたそうなんです。だから二人で体重計も一緒に見にいったそうです。でも、その時は、デート中で『荷物になるから』と買わなかった。

 そこから毎週のようにお会いさせていただいたようですが、ハンバーガーやジャンクフードが好きだし、お菓子もバクバクと食べているし、全くダイエットをしているようには見えなかった。

 そこで井上が『ダイエットはしているの? 体重は落ちているの?』と聞いたら、『家に体重計がないからわからないよ』と笑いながら言ったそうなんです」

 その言葉を聞いて「買う」と言っていた体重計も買ってない、食事制限もしていないことにガッカリしてしまったようです。

 陽平さんは、身長が178センチあるのですが、体重も103キロあり、縦横に大きい巨体でした。

 ですが、大手企業に勤め、頭の回転も早く、ユーモアがあって、コミ力はずば抜けていました。女性にしてみたら、とても条件のいい男性です。博美さんもそう感じていたのでしょうが、唯一気になっていたのが、彼の体型だったのでしょう。

 自分の発したひと言が不信感へとつながったとは露知らず、デートの別れ際、陽平さんは博美さんをギュッと抱きしめたというのです。

「抱きしめられた時に、お腹がボンと当たったようで、それで“ああ、もうこの人は生理的に無理!”と思ってしまったようです」

 こうして恋の魔法が、一瞬にしてすべて溶けてしまいました。

彼のひと言から、過去の不満も一気に爆発

 会員の藤村雄一さん(40歳、仮名)は、土曜日から月曜日の3連休に入る前日の金曜日に、かねてから真剣交際に入っていた吉野彩美さん(35歳、仮名)にプロポーズをし、それを無事、受けてもらいました。

 幸せいっぱいの2人はその夜、予約してあったシティホテルで1泊し、翌日は雄一さんの一人暮らしのマンションに行き、週末を過ごしました。

 しかし、日曜日になって“今夜は彩美さんが帰ってしまうのか”と思うと、雄一さんは無性に寂しくなりました。明日は祝日でお休みです。そこで、「今夜も泊まって、月曜の昼間に帰りなよ」と提案しました。