『世界で一番盛り上がるのは何祭り?』は名物企画だったのだが……

 今や日本のバラエティーを代表する番組、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)。『週刊文春』(11月15日号)の報道により、宮川大輔が担当する『世界で一番盛り上がるのは何祭り?』を発端にしたやらせ疑惑が世間をにぎわせている。

 まず問題となったのが、ことし5月20日に放送された『橋祭りinラオス』。

 日本テレビは「今回の企画は現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、番組から参加者に賞金を渡した事実もない」と真っ向から否定しているが、

 改めて問題の放送回を見てみると、不自然な点が目につく

 それは、会場のセット。

『SASUKE』でみた光景

 河川敷に、黒いビニールで作られた簡易プールが設置され、それを囲むように組まれた鉄骨のやぐら。参加者が橋を渡るとき、やぐらから吊り下がった大きなボールが回転して、走者を妨害するようになっている。

 この映像を見て、アクションバラエティー番組『SASUKE』(TBS系)を思い浮かべた人は多いと思う。

 番組中で宮川も、その光景を見て「『風雲! たけし城』みたい」と形容しているが、まさに、かつて日本のテレビ番組で目にしたバラエティーのセットに似ているのだ。

 フェス実行委員は『文春』の取材に、

《自転車アクティビティの実施は日本側が提案し、タイの人間が手伝って実現しました》

 と断言しているが、同誌の取材に対し日本テレビは、

「当企画は、これまでも大規模で伝統的な祭りから、地域で行われる様々な大会や、コンテスト、催しなどを幅広く“祭り”として取り上げ参加してきております。(中略)今回は現地からの提案を受けて参加したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はありません」

 と回答。このコメントからは、通常我々が思い描く“祭り”と同番組で扱われる“祭り”とは隔たりがあるように思える。

 番組のナレーションでも「東南アジアで流行している競技です」と、都合のいいように、“祭り”の定義をぼかした説明が入っていた。

 長年、バラエティー番組に携わったディレクターはこう語る。