吉澤ひとみ

 懲役2年、執行猶予5年。それが、ひき逃げ事件を起こした元モーニング娘。の吉澤ひとみ被告(33)に下された有罪判決でした。

 11月29日に開かれた初公判では、消え入るような声で謝罪の言葉を口にし、放心状態で法廷を後にしました。

酒で芸能界を追われた人気者

 そこで驚かされたことは、夫の証言です。吉澤被告がキッチンドリンカーであったこと、今も断をしていないことが明らかになったからです。

 自分が犯した映像を、本人も見ているにもかかわらず、それでもやめられない……。

 今年は、スポットライトの味を知る2人の人気芸能人が、で芸能界を追われました。吉澤被告と、元TOKIOの山口達也(46)メンバーです。

 山口元メンバーは引退後、アルコール依存症を克服するために、入院治療を受けています。断を決意してのことです。

 ところが吉澤は、量は減ったものに、今も飲んでいるとのこと。いわゆる、習慣飲から抜け出せないわけです。

 判決公判の際、吉澤被告は、終始表情を変えることなく、神妙な面持ちで目線を落とし被告席に座りました。自分の犯した罪について、

「考えが甘かったと思います。今回起こしてしまったことを一生忘れずに過ごしたいと思います」と述べました。

 しかし反省の弁の中に、をやめるという誓いはありませんでした。しかも吉澤被告は、法廷で「無職です」と明かしました。

 アルコール依存症に落ちていくタイプの人間に2つの条件がそろうと、その転落の確率が高まります。ひとつはへの自由なアプローチ、そしてもうひとつがふんだんな時間です。今の吉澤被告には、その両方がそろってしまっているのです。

 一日でも早く仕事を見つけることが、今後の人生の分岐点になります。

 仕事をしている時間は飲ができないため、量を抑えることができるからです。夫は吉澤被告の飲状況について「急激に減っています」と証言していますが、具体的にどれくらいなのかは明らかにしませんでした。

 執行猶予は5年。

 どんな小さな違反もできない、被告にとっては反省を余儀なくされる窮屈な時間が始まります。それをうまくとらえて反省の日々を送ることができるのか、反対に窮屈さがプレッシャーになってしまうのか。

 吉澤被告の本当の闘いはこれからです。

<取材・文/間垣ジェーン美瑠>