当初、「想像を絶するだらしなさ、ルーズさ」(本人の弁)で片付けられようとしていた、お笑いコンビ、チュートリアル徳井義実(44)の税金申告漏れ問題。

 本人の会見はスピーディーな対応だったが、その後、社会保険の未加入に銀行口座の差し押さえの過去など、徳井の納税意識の低さが次々に明らかになり、もはや誰もかばえない状況になりつつある。本人も自粛を発表した。

 これまでの流れを振り返ると、勇み足ぎみに徳井をかばったテレビ局、テレビ司会者に逆風が吹いている。

日テレの対応がお粗末すぎる

「徳井の問題が報じられたのが、10月23日の昼過ぎ。その直後、生放送があった読売テレビの『情報ライブ ミヤネ屋』では、司会の宮根誠司が『金をちょろまかすようなやつじゃない』と堂々とかばいました。放送前に徳井に電話をしたと明かしましたが、事実の深刻さよりも徳井の言い分を代弁した。これはいただけませんよ」

 スポーツ紙放送担当記者は、そう吐き捨てる。

 徳井は、地上波、BSなど合わせると10本以上のレギュラー番組を持つ売れっ子。

「テレビ各局は、なるべくことが穏便に収まってほしいというのが本音。それで当初は『対応を検討中』とした。ところが『しゃべくり007』など4本のレギュラー番組を放送する日本テレビだけは『変更の予定はなし』と強気に広報してしまったんです。

 徳井の会見を受け、そして世論の反発の大きさを受け『対応を検討中』にトーンダウンしましたが、なぜ事実関係を見極める前に、『変更の予定なし』と打ち出したのか、いま振り返ればお粗末な対応だったということでしょう。吉本のトップと日テレのトップが、本当に昵懇(じっこん)ですからね、それゆえの対応だったのかなと疑いたくもなりましたけどね」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

 結果、徳井の活動自粛が発表されたことで、テレビ局の対応は“徳井外し”で一致したのだが……。

「徳井の“出演場面を取り除け”って、オーダーが上から降りてきて、再編集すれば民放のバラエティーの場合は済みますが、NHKの『いただん』は大変ですよ。他局ながら同情します」(民放バラエティー番組スタッフ)

 大河史上最低の視聴率を記録しているNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺〜』には、11月3日放送分から徳井が、女子バレーボール日本代表の大松博文監督役で出演する。

「ピエール瀧が逮捕された際は代役を立てて再撮をしましたが、今回はクランクアップし、スタッフも解散しセットも解体したので、再撮は不可能。極力、徳井の場面をカットする編集をしても、全面カットはできない」(前出・民放バラエティー番組スタッフ)

 税金をまったく支払っていなかったルーズ・徳井だが、NHKの受信料は支払っていたのだろうか。気になる。

<取材・文/薮入うらら>