一見、不遇ともいえる2000年代だが、西島は精力的に映画出演をしている。'05年の7本を筆頭に、'02年・'06年・'08年にそれぞれ5本の出演作が公開という、驚異的な出演ペースを見せた。

 ルックスや肉体美に目が行くが、様々な作品で経験を積んだ西島は演技の評価も高い。昨年末には、米紙ニューヨーク・タイムズの名物企画「グレート・パフォーマーズ/ザ・ベスト・アクターズ・オブ2021」に選出されたが、同紙は「西島秀俊の控えめで憂いを帯びた存在は、鋭いウイットと切り裂くような批判的知性を隠し持っている」と評している。

40代に再びブレイク

 中山美穂と共演した映画『サヨナライツカ』('10年)、竹内結子さん主演の連続ドラマ『ストロベリーナイト』('12年)、大河ドラマ『八重の桜』('13年)など話題作への出演が続くなど、'10年以降に再び注目を集めるようになったが、『八重の桜』時点で西島は43歳。

 演じる役柄の広さ、作品の規模感を問わないフットワークの軽さは、まさにこういった彼の経歴から生まれてきたものだろう。日刊スポーツが昨年12月に行ったインタビューにて、西島は次のように語っている。

僕は本当に遅咲きと言うか、遠回りしてきた人間なので、もしかしたら皆さん(他の俳優)が20、30代で経験してきたことを40、50代で、ようやく形になりつつあるのかな、これから始まるのかなというふうに思っています

 今年は、「仮面ライダー生誕50周年記念プロジェクト」の1作として春に配信が予定されている『仮面ライダーBLACK SUN』にて中村倫也とともにW主演を務め、役柄が不明ながら映画『シン・ウルトラマン』(5月13日公開予定)への出演も決まっている。3月29日に51歳を迎える主役級の俳優が特撮作品に挑戦――。まさにフットワークの軽い、西島らしい選択だろう。

 次は一体、どんな顔を見せてくれるのか。『ドライブ・マイ・カー』の好演をきっかけに、世界にその名を知られるようになった彼だが、我々の予想を裏切る演技を見せてくれるに違いない。

(文/千歳康一)