寂れているが、飲食店やクラフトビールも
駅前は寂れているが、少し離れた場所には飲食店がたくさんあることに気がついた。
『清里レストラン&コテージ睦』というお店で、名物の「湯もりほうとう」というものをいただいた。あたたかい手打ちのほうとう麺を野菜の入ったつけ汁で食べるものだが、これがちょっと、びっくりするくらい美味しかった。
店主にお話を伺うと、お店ができてもう37年になるという。
「当時はすごかったですよ。夏も冬も大賑わいでした。冬は新たにスキー場ができたこともあって、大勢人が押しかけて……。つねに大渋滞でしたね。他県から訪れてくれたのに、駐車場がいっぱいで停められずに帰ってしまうお客さんもいました。そういうことがあったら、もう2度と来てくれなくなるだろうな、って残念に思っていましたね。
今はのんびりしていていいですが、銀行が撤退してしまったり、酒屋さんもなかったり、ちょっと不便なこともあります。でも駅から少し離れた場所には、まだ遊べる場所もたくさんありますよ」
店主に聞いたスポットに足を運んでみた。
駅の南にある複合施設『萌木の村』には本格的なバー、カフェが並んでいる。オルゴールミュージアムや体験型の工房もある。閑散期にも関わらず、何人も人が訪れていた。
オープン50年を超えたオシャレな老舗レストラン『ROCK』でハンバーグを食べたが、非常に美味しかった。ビールも自家製で、一味違う味わいだった。
駅の北側にある『清里の森』も同じように賑わっていた。その北側には大きな別荘地がある。徒歩では厳しいが、自動車があれば楽しめそうだ。
また周辺には牧場が多く、馬が走っている様子や、牛や羊が放牧されている様子が見られる。
ノスタルジックな風情あふれる清里も、これはこれで乙なもの。密を避けての旅行先として、もっと注目を浴びてもいいと思う。
(取材・文/村田らむ)