友人も遊びに来るし、家族とも会っている
彼が今やりたいと考えているのが、鶏の飼育だ。
「僕の師匠が飼っていて、鹿の雑肉や骨をエサとしてあげているんですけど、産んだ卵の黄身がつまめるほどかたいらしいんです。カルシウムたっぷりのエサだから。骨も無駄にならないし」
山小屋での生活に癒しを与えている同居人が。
「家の周りにすみ着いている猫の“ミーちゃん”が、僕の小屋で5匹の子どもを産んだんです。3匹はもらい手が見つかって今は、“はれちゃん”と“ひょうちゃん”という子猫が加わりました」
家族や友人が恋しくなることは、ないのだろうか?
「友人も遊びに来るし、家族とも会っているので、ひとりの時間を増やしたくなるくらい(笑)。今、家族は母ひとりなんですけど、“行き着くところがあってよかったわね”と安心してくれています」
9月下旬には猟友会の支部長のぶどう棚に足を運ぶなど、地元住民にも溶け込んでいる。
「ぶどうをたくさんいただいたので、さっそく実家に送ったら、“こんなに豪華なぶどうのセット、見たことない”と母が喜んでいました」
夜の過ごし方は、もっぱら読書。1人でお酒を飲むことは、ほとんどないという。
「人が来たときは飲みますけどね。地元の方とも、もちろん。小屋に来てくださる方、けっこう多いんですよ」
骨太なドキュメンタリー作品で知られる森達也監督が初めて手がける、来年公開予定の劇映画『福田村事件(仮)』への出演も決定。現在は事務所には所属せずフリーで活動しているが、今の生活を今後も続けていくのだろうか?
「今は、(フリーで活動することに)そこまでの大変さは感じていないです。以前の事務所には、もちろん感謝の気持ちがずっとあります。ただ、今の僕の生活スタイルには、フリーが合っているのかなと思ったりしますね」
スケジュール管理も事務作業も、全部自分で行っているという東出。
「これから請求書を作成しなきゃ(笑)」
と、ちゃめっ気たっぷりに笑った。