TのSNSに上げられたSの打ち合わせ中の写真。会議に”悪だくみ”中
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【画像】SさんからAさんへの、支払いを渋るメッセージ

 Kさんの元にあるはずの600万円は、どうなったのか。

彼女サイドからは “手元にある補助金は文化庁の指示に従って対応する”と返事がありましたが、文化庁に問い合わせたところ“Kさんからそのような報告は一切聞いていない”とのことでした。以前、彼女は “私は夢のために400万円必要だ”と漏らしていました。4月にオープンしたカフェバーの資金に使ったのかもしれません

“訴えたければ訴えてくれ”

 追い打ちをかけるように、T氏もAさん側に不義理を働いたようだ。

「Tさんはチケットの売り上げ代である300万円のうち200万円を管理していたのですが、 “主催のKさんからチケット代を請求されていないので支払うわけにはいかない”と主張。チケット代を管理するのは主催のKさんなので、彼女の指示がなければ我々サイドに支払うことはできないという理屈のようです。Tさんは200万円をすでに使い切ったようで “訴えたければ訴えてくれ”と開き直っています

 T氏は現在、全国でライブパフォーマンスをしながら寄付を募るというプロジェクトに着手。

「彼はKさん以外にも歌手や声優に“補助金制度を活用してイベントを開こう”と持ちかけていましたからね。第二、第三の被害者が出ないか不安です

 一連のトラブルは、KとT氏が結託して行われたことなのだろうか。

「のちにTさんから打ち明けられたのですが、Tさんの目的は神田さんプロデュースの舞台公演で、補助金と売上金と協賛金を集めることだったそうです。補助金申請の窓口として協力したKさんに見返りとして400万円を渡す約束も交わしていたようですが、Tさんは舞台興行の経験がない素人。

 スポンサーを集めることができず、協賛金はゼロ、チケットなどの売上も期待したほどに至らずでした。KさんはTさんから約束されていた報酬が受け取れないとわかったので、手元にある補助金を手放したくないんです。Tさんも“せめてチケット代だけでも”と懐に入れたのだと思います

 Aさんがこのトラブルを法律に詳しい知人に相談したところ、Kさんの行動は“詐欺ではなく債務不履行と考えられる”と言われたという。

 時間と労力を費やして、負債だけを背負ったAさんたち。現在は訴訟の準備中だという。神田氏もこの金銭トラブルに心を痛めている。

私がTさんとKさんを連れてきたばっかりに申し訳ないです。このような人間が文化芸術に携わってはいけないと思います

 と、沈痛な面持ちで後悔の弁を述べた。

 Aさんたちの苦しみを両者はどのように受け止めているのか。T氏に一連のトラブルについて問い合わせるも、期日までに返答はなし。

 続けて、Kにも補助金の現状や今後の対応について問い合わせると、彼女の顧問弁護士を通して、

貴殿のご質問は、A氏サイドの主張する事実関係を前提としてなされているものと推察しますが、当方の認識する事実関係はそれと異なっており、当然法的評価も異なっております。したがって、貴殿のご質問の前提となっている事実関係が、誤りを含む(少なくともその可能性がある)ものであることを申し上げておきます。

 他方、当方は、前記A氏サイドより、”訴訟提起を予定している”旨を聞いております。そのため当方としては、提起された訴訟の手続内で必要な主張をする予定です。したがって、現段階で貴殿からのご質問にお答えすることは差し控えます」

 との回答に留まった。舞台外で起こった金銭トラブルはどんな結末を迎えるのか――。