語っていたメンタルヘルスの重要性

「美園さんは現在、メンタルヘルスに関する研究を行っているそうです。退団後のインタビュー記事では、在団中について、

≪(月組のトップ娘役に)就任して1年ぐらいたった頃、全身にバーッと湿疹が出たことも。不思議なことに、首から上には出なかったのですが。「一人で解決しなければ」と、全てを抱え込んでいたのでしょうか≫(「大手小町」2022年8月12日掲載)

≪つらくて、誰かに相談したい気持ちはあるんです。でも言えない。人前に立つ仕事ですから、自分の悩みを赤裸々に誰かに話すなんてできないと思っていましたし、弱い自分を認めたくないという気持ちもありました≫(「AERA.dot」2022年7月28日掲載)

≪いま振り返ると、「スポ根」のように自分で自分を厳しく追い込みながら進めていくやり方も悪い訳ではないと思います。そうした経験を通じて得た大きなものが、自分の中にあるのも確かです。ただ、そのときは本当に苦しかった≫(「日経BizGate」2022月11月17日掲載)

 などと振り返っており、こうした経験からメンタルヘルスの重要性を実感し、進学を決意したそうです」(芸能記者)

「AERA.dot」のインタビューでは、以前から日本人の若年層の自殺死亡率の高さが気になっているとし、≪逃げる場所が「死」ではなく、もっといろんな逃げ場を持てる社会であってほしいと思っています≫、また「慶應塾生新聞」のインタビュー(2022年11月12日掲載)では、≪悩んでいる人が相談できるだけではなく、それぞれが目標に向かって挑戦できるようになるための「自信を持てる場所づくりをしたい」と思って≫と話していた美園。Aさんの転落死を受け、宝塚ファンは、その言葉をあらためて思い出しているようだ。SNS上では、

≪ふと頭に浮かんだのは美園さくらさんのこと。このニュースを聞いたら、とても悔しいのではないかな…。≫

≪私の愛する美園さくら様も、こういうことがおきてほしくなくて、学問の道に進まれたのかもしれないと思うと、ほんとになぁ………。≫

≪美園さくらちゃんが言ってたこと今なら理解できる タカラジェンヌの前に、1人の人間だ≫

 といった声が上がっている。

「Aさんが転落死した本当の理由はわかりませんが、彼女が宝塚という環境に苦しさを感じていた可能性は否定できない。美園さんは現在、後輩の訃報を受けてひどく心を痛めていると思います。美園の研究が今後、劇団員たちの生きやすさにつながることを祈ってやみません」(前・同)

 劇団サイドは≪一人ひとりの心のケアなどにも時間をかけ、生徒の心情に寄り添ってまいります≫と宣言しているが、なぜこのような悲劇が起こってしまったのか、その原因を究明し、劇団内の環境改善にも心血を注いでほしいものだ。

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