目次
Page 1
ー 今さら『紅白』の司会をやっても
Page 2
ー “コンプラ治外法権”的タレント

 有吉弘行が『NHK紅白歌合戦』の司会のひとりに決まった。橋本環奈浜辺美波、高瀬耕造アナとの4人で進行するが、おそらくその中心、近年でいえば、内村光良や大泉洋のポジションだ。

 ただ、世間の反応はさまざまで、有吉ファンの間でも賛否が分かれている。そのひとつが、格式と台本重視の『紅白』では、そのアドリブ力、特に毒舌が生かせないのではという見方だ。

今さら『紅白』の司会をやっても

 例えば、司会起用が発表された2日後、彼は自身のラジオで「俺のおすすめのアーティストは出られるんですかね」としたうえで、

「ぜひ『くず』のおふたりに出ていただいてね。『ムーンライト』を歌ってもらえれば」

 と語った。くずといえば、いまや地上波「出禁」状態の宮迫博之が山口智充と組んでいたデュオ。

 もちろん、有吉流のジョークなのだが、これがネットニュースになると、ファン以外から「不謹慎だ」とする声も出た。

 確かに、老若男女が見る『紅白』で誰もが笑える毒舌をやるのは難しい。それゆえ、こんな見方も。すでに、すべての局で冠番組を持つほど成功しているのだから、今さら『紅白』の司会をやっても大したステータスアップにはならないのでは、というのだ。

 そういう見方が出るのは『紅白』自体のステータス感が薄れたからでもある。昨年の視聴率は、一昨年よりやや持ち直したものの『紅白』史上ワースト2位。今年はジャニーズ勢の出場が激減、もしくはゼロになるとまでいわれていて、さらに盛り下がることが危惧されている。そこで新たなカンフル剤を打つ必要があり、それが有吉だったのだろう。