登録の必要性「さほどない」

「6条は商品・役務の記載の形式的な問題なので、一般には、さほど大きな問題ではありません。修正すれば済む話です。審査官によっては厳しめの判断をする人がいるので、非標準の記載をすると拒絶理由が通知されることはあります」(栗原氏、以下同)

 同じ理由で2度拒絶されたのはなぜか?

「2回目の拒絶理由通知は、単に同じ役務を重複して書いたことによるものなので、代理人弁理士の単なる不注意です。好ましいことではないですがたまにやってしまうことはあるでしょう」

10月2日に記者会見を開いた、旧ジャニーズ事務所の東山紀之と井ノ原快彦。新会社の名前は「SMILE-UP.」になった
10月2日に記者会見を開いた、旧ジャニーズ事務所の東山紀之と井ノ原快彦。新会社の名前は「SMILE-UP.」になった
【写真】特許庁が2度も“拒絶”した「スマイルアップ」の商標

 商標登録の“区分”を見ると、広告、金融、セミナー・イベント、飲食・宿泊施設の提供に関するもので、確かに社会貢献、被災地支援のためのものということがわかる。しかし、スマイルアップ社は「性加害問題についての補償業務だけを行う会社」としていた。商標として問題ないのか?

「社名『SMILE-UP.』」は、過去に行われた慈善活動である『Smile Up! Project』からインスパイアされたものかもしれませんが、基本的には別の話になります。また、商標は消費者に対するブランドを摸倣から保護するためのものなので、対消費者の事業を行うわけではない新会社が自社名『SMILE-UP.』を商標登録出願する必要性はさほどありません。

 一方、過去における“ジャニーズ”の場合は『ジャニーズショップ』等で対消費者のブランドとして使用されていたので、摸倣を防ぐために商標登録出願する必要性が高かったです。今後、公募で決定されるタレントマネジメント会社の社名についても、同様に商標登録出願する必要性は高いでしょう

 旧事務所はスマイルアッププロジェクトについて《“いつも皆様の手の届くところにあって、ほほ笑みかけている”、そんな存在でありたいと思います。》としていた。

 スマイルアップ社や、新会社がそんな存在になれる日は─。