目次
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ー 『コード・ブルー』でシフトチェンジ
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ー 月曜から「不幸な要素てんこ盛り」
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ー 4月の“月9”は広瀬アリス、7月は目黒蓮

 一昨年の『silent』のヒットや昨年も『いちばんすきな花』がSNSなどで話題となるなど、近年花盛りの恋愛ドラマ。その流れに乗るかのように、フジテレビの月9枠も昨年7月には『突然ですが、結婚します』以来6年ぶりのラブストーリーとなる『真夏のシンデレラ』を放送したが、平均世帯視聴率は5.6%と不振。2018年放送の『海月姫』の6.1%を下回り、当時の月9ワースト視聴率を更新した。現在放送中の『君が心をくれたから』も永野芽郁フジテレビドラマ初主演と期待されたが、5話放送時点で平均世帯視聴率5%台と低迷している。

『東京ラブストーリー』などのトレンディドラマに代表されるように、かつてはラブストーリーでヒット作を連発したフジの月9。原点回帰するかのように相次いでラブストーリーを復活させたが、なぜ苦戦が続いているのか。

「路線変更するかのようにラブストーリーを復活させて、すごく新しい試みをしようとしているとは思うんです。ただ、この2作品を見てみると、ラブストーリーをしばらく休んでいる間に、“作り方忘れちゃったの?”ってそんな印象すら感じます」

 そう話すのはドラマウォッチャーで漫画家のカトリーヌあやこさん。月9でのラブストーリー復活の裏には、やはり『silent』のヒットが大きいと話す。

『コード・ブルー』でシフトチェンジ

「2010年に『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』のシーズン2が月9で放送され、視聴率がよかったんです。このヒットにより月9は『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート』のような医療ドラマとか、恋愛もの以外にシフトし始めました。そんな中、ラブズトーリーの覇権を握ったのはTBSの火曜10時枠。2016年ころから恋愛ドラマをメインに方向転換。同年の『逃げるは恥だが役に立つ』や2018年の『中学聖日記』みたいに良質な作品がたくさん作られるようになったんです。その流れでフジの木曜10時枠が台頭してきて、『silent』の大ヒットにより各局でラブストーリーがさらに作られるようになった。覇権を再び取り戻すじゃないですけど、月9もこれまでの路線から軌道修正を図ってラブストーリーを復活させたんだと思います」