エグゼクティブ・プロデューサーは、『トップガン マーヴェリック』の原案を手掛けたジャスティン・マークスと、妻でハワイ育ちの日系人であるレイチェル・コンドウ。原作は、ジェイムズ・クラベルのベストセラー小説「Shogun」。

 1980年代に、三船敏郎、島田陽子、リチャード・チェンバレンが出演したテレビドラマで大ヒットした。しかし、マークスとコンドウは、ハリウッドチックではなく、細部にこだわり、現代人に日本の文化が伝わるような脚本にするため、1年以上を費やしたという。

エグゼクティブ・プロデューサーのマークスと妻のコンドウ(写真/東洋経済オンライン)
エグゼクティブ・プロデューサーのマークスと妻のコンドウ(写真/東洋経済オンライン)
【写真】エグゼクティブ・プロデューサーのマークスと妻のコンドウ

「作品は東西チームワークの賜物」

 真田には当初、主演を依頼したものの、後にプロデューサーとしての参加をも要請。これによって、海外ロケ地に時代劇のクルーを日本から呼び寄せ、日本人役はすべて日本人というこだわりの作品に仕上がった。海外が初めてというクルーも多く、時代劇のプロらが言葉やコミュニケーション、文化の壁を乗り越えて、日米初の壮大な協力体制でできた作品といえる。

「作品は東西チームワークの賜物。その思い入れを感じ取ってもらいたい」と真田。

「日本で学んできたこと、『ラスト サムライ』以来、思ってきたことをすべて注ぎ込んだ。異文化の映画を作るときは、本物を作らなければいけない。金儲けだけが目的ではない、すべてが本物で、カメラの前にあるものはすべてが本質的なものでなければならない、という気持ちを込めた」

「その意味で、世界のサムライ作品の、いや日本でのサムライ作品の作り方でさえ変えていきたい」と意気込みを示す。

 舞台は1600年代、「天下分け目の戦い」の兆しが立ち込めていた日本。戦国最強の武将、吉井虎永(真田広之)が窮地に陥る最中、遭難船の英国人航海士ジョン・ブラックソーン(後の按針、コズモ・ジャーヴィス)が虎永の領地へ漂着し、交流が始まる。