20150210 (9)
 ニシン漁の元親方で、マッサン、エリー夫婦にとって「北海道の父」ともいえる役どころの森野熊虎を豪快に演じている風間杜夫。

「主人公の人生に深く関わって、自分が果たせなかった夢を託していく役どころ。最初は“おら、殿様だ”ってふんぞり返っているんですけど、すっかり落ち目になって“ニシン御殿”を手放さなければならない心情を吐露したり、死んだ女房を偲んだり。そこがこの熊虎という人間の、今まで人前で出したことのない哀愁であり、情感ですよね」

 さらに来週の放送では、娘のハナ(小池栄子)と俊夫(八嶋智人)との恋が急浮上する。

「八嶋くんに馬乗りになって“どういうことだ”って激怒したりね。本当にいろんな姿を見せています」

 朝ドラ出演は『ゲゲゲの女房』で漫画家・水木しげるの父親役を演じて以来、4年半ぶり。

「もともと舞台出身ですから、50歳を過ぎてからは舞台ひと筋でいこうと思っていたんです。でも、昔からのファンの人たち、特に地方にお住まいの方は“テレビに出てくださいよ。私、なかなか芝居見に行けないんだから”って。60代になりましたが、舞台公演で忙しい最中にも、いろんなドラマから声をかけていただいてありがたいことです」

 北海道ロケの合間には、『マッサン』にちなんでウイスキーを楽しんだという。

「僕はね、もう、酒は毎晩です。どんなに仕事が遅くなったって、酒を飲まないと1日が終わったって気がしない。札幌のなじみの店に繰り出して、せっかく来たんだから余市を飲もうって、しこたま飲んで。まあ翌朝のつらかったこと(笑い)」

 熊虎×風間の共通点とは?

――ニシン漁でひと山当てて大豪邸を建てた森野熊虎。自分だったら、衣食住どれにお金を使う?

「立派な家を建てようなんて欲はないです。食い道楽でも、着道楽でもないし。ま、家族で旅行に行くのは好きです。そのときだけはけっこう贅沢に使います(笑い)」

――子どもたちには家や財産を残してあげたいと思いますか?

「どうでしょう。熊虎の場合、故郷を持てない男が、子どもたちのため故郷としての意味合いのニシン御殿を建てたんですが……。僕は変にお金を残して、いさかいが起こったりしてもしょうがないから、女房と2人で使い切っちゃおうと言っていたんです。でも孫が生まれて、すっかり考え方が変わりました。孫のために少しは残してやろうと(笑い)」

――風間さんにもバクチ打ち的な資質はありますか?

「うーん、僕は麻雀が好きなもんでね。自分で言うのもおかしいんですが、麻雀ファンの間では、風間杜夫といえば相当強いということで(ちょっと誇らしげ)。僕と萩原聖人と坂上忍で芸能界の“三巨頭”と言われているんです。玉山(鉄二)くんも麻雀が好きなので、そのうち“マッサン杯”をやりたいですね」