「今までは確かに"塚っちゃんのバーター"でしたけど、今回の『まれ』はプロデューサーからちゃんとバーターじゃない、って聞きましたから!」

 こう"吠える"のはお笑いコンビ『ドランクドラゴン』の鈴木拓。相方の塚地武雅と、2人そろって朝ドラ『まれ』に出演している。俳優としても評価の高い塚地と一緒ということで、いろいろ言われたみたいだけど……。

鈴木「だから、今回はちゃんと台本を読まなきゃな、と思って取り組んでますよ」

 いや、どんな作品でも、台本はちゃんと読みましょうよ(汗)。では気を取り直して"朝ドラデビュー"についてどう感じてます?

塚地「何か、申し訳ないという気持ちですよね。ほんまにすべてをかけて頑張っている役者さんから見れば、(朝ドラ出演の)2枠をわれわれが取ってるわけじゃないですか。逆にバラエティーのレギュラーに俳優さんがなったら"なんでこっちがもらえないんや"って思いますもん」

鈴木「俺は事の重大さにまだ気がついてないというか……。どれだけすごいかがよくわかってないんですよ。まあ、好感度が上がるかな、くらいですよ(笑い)。確かに本職の俳優さんには申し訳ないですけど、まあ、やれるならやらせてもらってもいいかな、と。好感度とお金はあって困るものじゃないですしね」

 2人は能登と横浜で出演シーンが分かれているけど、お互い"いいな"と思う部分は?

塚地「横浜編は人数が少なくて、めっちゃアップが多いしセリフが多いんですよ。能登だと引きの画で、自分のセリフのときでも声だけしか聞こえていないとか。もうすでにセリフと出番は鈴木に抜かれましたもん(笑い)」

鈴木「いやいや、楽しい思い出とかロケとかは全部、能登なんですよ。ストーリーだって、みんな仲よくほんわかしているし。空気を乱すのは徹さん(大泉洋)くらいでしょ。横浜は"すぐにやれ!""おまえはクビだ!"って話がシビアなんですよ」

 では、これから盛り上がっていく『まれ』で、それぞれの見どころを教えてください!

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塚地「役的には嫁もいて、娘もいて。すごく感情移入しているんですよ。衣装に着替えるとき、最後に指輪をはめるんですけど、"俺、生きているな"って思うんです。だから、撮影が終わって家に帰って独り身で過ごしている時間のほうが"役"なんだと(笑い)。この『まれ』の中の生活が僕の生活なので、僕の"真の姿"をみなさんに見てほしい、と」

鈴木「いや、それ"真の姿"じゃなくてバーチャルだから(笑い)。俺はですね、演じている浅井がどんどん性格が悪くなっていくのを見てほしいですね。もともと優しい男なんですけど、(脚本の)篠崎さんに普段の俺のこの感じが乗り移って、浅井の性格を悪くしているんでしょうね(笑い)」

俺たち、もしかして…嫌われてる!?

鈴木「スタジオの前室に、能登の写真がズラッと貼ってあって。海とかでみんな楽しそうに写っているんですよ。でも、そこに横浜編の写真は1枚もないの。おかしいでしょ! って、スタッフにずっと言っていたら、やっと俺らの写真を貼ってくれたんですよ」

塚地「そうだったね」

鈴木「しかもですよ、たくさん貼ってあった能登の写真に塚っちゃんが1枚も写ってない(笑い)」

塚地「撮るに値しないんちゃいます(笑い)? 僕、能登の撮影では、朝の8時くらいには出番が終わって。ひとりで朝市行ったり、チャリンコで輪島の周りを何周もしたり……。みんなとの撮影の思い出がないんですよねぇ……」


撮影/佐々木みどり