「仕事や勝負ごとに向き合ったとき、自分の中に絶対的なルールがある。例えば、決してズルはしないとか、人のものを奪わないとか。そういうところは、タツヤにも僕自身にも共通してある部分かなと思います。でも、彼ほどデキる男じゃないですね(笑い)」

20150714 AKIRA (6)
撮影/伊藤和幸

 7月7日スタートの主演ドラマ『HEAT』(毎週火曜、夜10時~。関西テレビ・フジテレビ系。初回は夜9時から2時間スペシャル)で、大手不動産会社のエリートビジネスマン・池上タツヤを演じるAKIRA。

 数百億円規模の都市開発プロジェクトの候補地として幸多市に目をつけたタツヤは、地元の消防団に素性を隠して潜入する。地元愛が強く、あまり外部の人間を受け入れない街の人々とコミュニケーションを図るためには、街で生活し、生業を持ちながら活動する消防団に入るのがいちばんとの理由で。

 今作の役作りとして消防訓練を受けたのかを聞くと、

「訓練に関しては、共演者のみなさんにお任せしました。決してサボっているわけじゃないですよ(笑い)。タツヤにとって、消防団員として活躍することが第一の目的ではないので、知らないほうがいいと思って。いまから出動というときに、オドオドしている姿と、オフィスで後輩や部下に指示を出しながらバリバリ働いているタツヤのギャップが面白いと思います」

 気になるのは、栗山千明が演じる消防団のリーダー・咲良と、菜々緒が演じるビジネスパートナーで、友達以上恋人未満の経営コンサルタント・エリの2人の女性の存在。

「どうなりますかね。僕もまだ、わからないんです(笑い)。街を守りたい、人のため世のためになることをしたいという咲良に惹かれたり、女を武器にするエリに騙されたりということがあるかもしれない。エリのような魔性の女性は魅力的というより、僕を含めた男は単純だから信じてしまうんだと思います(笑い)。そして、対照的な咲良のような女性は、まっすぐすぎて腹が立つこともときにはあるけれど、どこか心が揺れる自分がいますね」

 そんな咲良が所属し、地域の人から“ショボショボ団”と呼ばれている消防団の団員たちと活動することで、徐々に価値観が変わっていくタツヤの姿を描いているドラマ。

「作品が進むにつれ、熱い男になっていきます。ただ、その炎は赤というより、青い炎。そして、情熱の向く先も変わっていく。今回、ドラマとして初めて焦点を当てる消防団の方たちは、全国に約87万人もいるんです(消防士は約16万人)。その消防団員たちが、それぞれの思いを抱きながら災害に向かっていく姿を通して、誰でも、ひとりひとりがヒーローになれると感じてもらえたらうれしいです」