これまで見たことのない映像表現で、“友情”“努力”“勝利”とちょっぴりの恋愛を描いた話題の映画『バクマン。』(10月3日公開)で、バディを組んだ佐藤健神木隆之介

 映画『るろうに剣心』シリーズ以来の共演となったふたり。前作では敵対していたけれど、今作では、ピッタリと息の合った高校生コンビを演じている。

神木…「最初は、健くんって寡黙だし、何かを考えているようで近寄りがたい印象だったんです。でも、あるときに、もしかしたら、実はボーっとしているだけなんじゃないかって思って、“何を考えているの?”って聞いてみたら“何も考えてない”って(笑い)」

佐藤…「そう。“疲れているだけ”とかね(笑い)」

神木…「その瞬間から、ガツガツ近づいていきました!」

佐藤…「隆は、昔から変わらない。ブレないですね。芸歴で言うと大先輩なんですが、弟みたいに慕ってくれるんです」

神木…「服をもらいに行ったりもします」

佐藤…「ものすごく、頻繁に来ます(笑い)。でも、隆の家に行ったことないな。気にはなっているけど」

神木…「ちゃんとテーブルにシーツひかなくちゃいけない空気になっちゃうよ」

佐藤…「テーブルクロスね(笑い)」

 累計1500万部を超える同名の大ヒットコミックを映画化した今作で、ふたりが演じたのは、『週刊少年ジャンプ』で、連載を獲得するという難関に挑むクラスメート。

“役作りの必要がなかった”という神木が演じる、ストーリーを考えさせたら抜群の秋人(シュージン)が、“そのままだと学生に見えないので、神木のテンションを見本にした”という、佐藤が演じる高い画力を持つ最高(サイコー)をマンガの世界に誘うことから物語がはじまる。

 ちなみに、もし相手を自分の好きな分野に引き込むとしたら、何に誘う?

神木…「“将棋とテニスと卓球”。健くん、オセロは不動の地位だから」

佐藤…「オセロは、芸能界で一番強いです(笑い)」

神木…「どれだけ努力しても勝てそうにないので、僕の得意なものに誘います」

佐藤…「隆(りゅう)を誘うなら、なんだろう? お酒は、あまり飲まないよね」

神木…「確かに知らない」

佐藤…「運動は、普段する機会がなくて、それこそ隆に誘ってもらってテニスがしたいくらい。ダンスは? 今、全然やってないので、踊れないです」

 映画では、サイコーがひそかに思いを寄せるヒロインによって、ストーリーに加速がついていく。彼のように女性がキラキラ輝いて見えた経験があるかを聞くと、

佐藤…「あったかもしれないけど、忘れました(笑い)。それこそ、運動会で女の子に“カッコいい”と思ってもらいたいから頑張って走るっていうのは、男全員にあると思う」

神木…「そう。モテたいとか、好きな子に振り向いてほしいっていう思いは、男にとって一番強い原動力になる」

佐藤…「間違いない!!」

 最後に、もし、次に何か一緒につくるとしたら? 

神木…「佐藤健の写真集を作り上げます。必ずや!」

佐藤…「絶対なの?」

神木…「言っていたら、絶対に叶うから。撮影現場でも撮っていたんですけど、目の深みがありすぎて絵になるんですよ。もっと、いろいろな表情を見たいと思わせてくれる人物です」

佐藤…「ふふふ(テレ笑い)。隆とまたやるなら映画じゃないかな。やっぱりそれは」

 最後にひと言ずつ。

 今作が、初“茶髪”だった神木。

「ずっと、やってみたかったんです。でも、“まだ、学生だから”って言われ続けて……。なので、今回すごくうれしかったです。周りからも“意外と似合う”って反応がよかったんですけど、すぐに役作りで黒髪に戻りました」

 マンガ家、料理人、剣の達人と、突出した才能を持つ役柄を演じることの多い佐藤。

「今回は、Gペンの使い方を練習したんですが、難しかったです。何かを極めないといけない役が、なぜか多い。やっぱり大変なので、避けたいなぁと思う気持ちもあります(笑い)」

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(撮影/廣瀬靖士)