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 昨年、ドラマ『下町ロケット』(TBS系)で腹黒い心臓外科医の貴船教授を怪演していた世良公則。すごみのあるセリフが話題となったが、本業はご存じロックシンガーだ。

 世良は、野村義男と組んだ音屋吉右衛門というユニットで活動。ほかのミュージシャンとともに音楽活動をするのが好きなのだ。

「僕は“やりたいことを全部やったらいいじゃない”っていうスタンス。音楽もビジュアルも個人の好きずきでいいと思うんです。自分の世界を作れなかったらミュージシャンは負けですから。

 音屋吉右衛門のライブのサブタイトルは《さぁ~どこからでもかかってきなさい》。僕は、仲間にとってはこれ以上ないくらい頼れる人になりたいし、敵にとってはこれ以上ないくらい怖いヤツでいたい。両方の意味を含んでいます」

 2月6日には還暦を記念したライブが福岡で行われる。たくさんの仲間が集って開く音楽の宴だ。

「民生クン、『JUN SKYWALKER(S)』の宮田クン、つるのクン、野村クンも参加してくれます。まずみんなに《何やりたい?》ってメールしたからね。ツイスト世代の人なら、その時代の曲で何が歌いたいのかを尊重したいし、若い人が“世良さんとこの曲をやりたい!”と言ってくれたら、喜んでやってあげたい」

 音楽と並行して俳優としての活動を始めたのは、ソロになってすぐ。『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)でのボギー刑事役はハマり役となった。'98年の映画『カンゾー先生』では日本アカデミー賞助演男優賞を受賞している。『下町ロケット』では珍しく悪役を演じることになった。

「篠井英介さんを含む僕ら“ヒール軍団”は椎名社長(小泉孝太郎)が存分にワルモノっぽさを発揮できるように、サポーターとしてやっていた感じです。出番待ちのときなんかは、僕がいつもやっている体幹体操をみんなでやったりしましたよ。ジムには行かないんですが、普段から部屋で身体づくりはしています」

 リアリティーを出すため、台本にはなかったセリフをどうしても入れたいとプロデューサーに頼んだことも。

「患者が死んでしまうところに駆けつけるシーンは、台本ではヘナヘナとその場に倒れ込んでしまうというものでした。でも“ただ電源が切れて終わってしまう”感じは何か違うなと。

 僕の中では、この先の展開を予測した結果“ショートして電源が落ちる”イメージだった。それで“いったい何をしたぁ!!”と怒鳴るセリフを足させてもらいました」

 ドラマの中では高級料亭やフランス料理店でいつもグラスを傾けていたが、実はあまり酒が飲めない。オフの日は、家で過ごしているという。

「音楽を聴いているか、趣味の陶芸をしているかですね。土をこねていると無になれるというか、僕にとってはすごく大切な時間なんですよ。普段では出てこない発想が次々に出てくる。曲も土を練っているとそのリズムで浮かんだり。

 練り終わったときに忘れていることも多いですけど、そんな曲はたいしていい曲じゃなかったりする(笑い)。できあがると岐阜県の工房に行きます。薪をくべて窯で焼いているときの炎をジーッと眺めるのも、至福の時間ですね」