■世界各国で臨床実験が行われている

「活性酸素はすべてが悪ではなく、善玉と悪玉があり、水素が選択的に悪玉活性酸素を除去することがわかりました。それからというもの、効果発現の作用基準を探るため、世界各国で臨床実験が行われています。

 水素は悪玉活性酸素と結びつくことで水へと変わります。ただの水ですから、身体には無害なもの。どのような病気に効果があるかわかれば、さまざまな治療にも使用でき、有効だと考えられているのです」

 こう語るのは、’11年より水素を使った治療を積極的に行う東京・『辻クリニック』院長の辻直樹院長。各研究機関でどのような病気に効果があるのか調べられてきたといいます。

「脳であれば、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、脳梗塞の後遺症などに。循環器系では、心筋梗塞、動脈硬化、バージャー病など。ほかにも、関節症やリウマチ、糖尿病、肥満や肝炎、ダイエットやアトピー性皮膚炎……。さまざまな病気改善に向けて作用するという論文が世界中で発表されています。

昨年、慶應大学でもラットを使った水素治療の研究結果が発表されました。心肺停止後に水素を吸入させたところ、脳障害が改善できるという効果がわかったのです。救命現場で利用できる新たな治療法として、期待されています」

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