2年に1度の検診が勧奨されているため、平成24、25年の検診受診者数の合計に基づく受診率。(平成25年国民生活基礎調査/厚生労働省より)
2年に1度の検診が勧奨されているため、平成24、25年の検診受診者数の合計に基づく受診率。(平成25年国民生活基礎調査/厚生労働省より)

 1年で6万人以上が罹患。女性がん罹患率・第1位の乳がん。40代での発症率が高く、閉経前後はもっとも注意したい時期。早期発見で100%治癒できる病気なので、なによりも早期発見が大事だという。

「乳がんはこの20年で約2倍に増加していますが、乳がん自体は早期発見ができれば、とても予後のよいがんでもあります」(順天堂大学医学部乳腺・内分泌外科学研究室主任教授・齊藤光江先生)

 ほかのがんに比べ、自分で触れることができる乳がんは自己チェックが大切。

「触れないくらい小さな時期に発見するために、『マンモグラフィ検査』や『超音波(エコー)検査』があります。それぞれの検査には適応年齢と特徴があり、自分に適した検診を受けることが重要です。また、自分で触れることができる乳房は、日々の自己チェックも大切になります」(齊藤光江先生)

 乳がんのリスクを下げるためには「閉経後の肥満にも気をつけて」と齊藤先生。

「あまり知られていないかもしれませんが、肥満のほかにも『過度の飲酒』『タバコを吸う』『運動不足』も、乳がんを起こしやすいことがわかってきています。飲酒では、缶ビールなら350ml缶1本程度にするのがよく、運動では1日1万歩を目標に歩くのもオススメです」(齊藤光江先生)

 また、閉経後にホルモン補充療法などで、女性ホルモンを補っている人も、乳がんの発症リスクが高まるとか。思い当たる人は、生活改善とともに、より自己チェックや定期的な検診を意識して行おう。

〈乳がんデータ〉

死亡数(2013年):13148人(女5位)

罹患数(2010年):68071人(女1位)

5年相対生存率:89.1%