■かべコーナースクワットが基本体操

 そんな間違った身体の使い方がクセになってしまっている人にとって、画期的な解決法が今回の『かべ体操』だ。

「足腰の痛みをやわらげるには、原因から治すのがもっとも効果的です。つま先を外に向けて、足やひざをひねって歩くと痛みだけでなく、足やひざや腰の周囲の筋肉が硬くなり、シコリを持つようになります。『かべ体操』をすることで筋肉が正常に働き衝撃を吸収できるようになります。足腰の痛みには運動療法が鉄則なんですよ」

 足腰を鍛える基本としてスクワットがおすすめだという渡會教授。しかし、間違ったやり方だと逆に足腰を痛める危険性も。そこで思いついたのが“壁”を使った『かべコーナースクワット』だった。

「かべのコーナーにお尻をつけ、かべからひざ、足が離れないようにしてスクワットをすれば、自然と正しいスクワットができるのです。さらに即効性もあり、患者さんの多くはこのスクワットを始めて1~2週間で効果を実感できています」

 この体操で大事なことは“ゆっくり、正しいフォームで継続すること”だそう。

「いくら足腰にいいといっても、1度にたくさん頑張って行うのではなく、1日のうちに何回かに分けて少しずつ行うという方法がおすすめ。『かべコーナースクワット』なら、1セット10回を上限にして、1日10セットを目標にしてほしいです。1セット10回がつらい人は3回でも5回でもいい、それを、1日にたくさん高頻度で行ってください」

 無理をして逆に足腰を痛めてしまったら本末転倒だ。

「『かべ体操』の最初の種目は、この『かべコーナースクワット』。部屋の角に立ってスクワットをするだけのシンプルな体操ですが、足腰をうまく使えているかどうかを確認することができ、よい姿勢を意識しながら、足腰の筋肉を全体的に鍛えることができるのです」

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