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年金ってそもそも本当にもらえるの? 今回は年金にまつわる数えきれないほどの"ハテナ"を20代の若手社会人がお勉強! 年金のギモンを一気に解決しましょう。年金問題に詳しい学習院大学の鈴木亘教授にお話を伺いました


年金って、誰が何のために作ったの?

 ややこしい言葉が並び、制度はコロコロ変わっていく……。年金って、とにかくわかりにくい!

「その理由は、頻繁に変更が必要になるほど年金財政が悪化しているからです。また、職業によって制度がバラバラで整理されていないことも一因といえます」

 そう話すのは、年金に詳しい学習院大学経済学部の鈴木教授。そもそも年金制度はどうやってできたのか。

「最初に公務員らが加入できる『共済年金』が作られ、次にサラリーマンのために『厚生年金』が設立。最後にできたのが、自営業や農林水産業の人たちに向けた『国民年金』です」

 こうして1961年、国民の誰もが何かしらの年金制度に加入できるように。

「これらはすべて『賦課方式』という仕組みで運営されています。かつては自分が支払った年金で老後を支える積立方式を採用していましたが、ほかの先進国にならい、現役世代が払った年金で高齢者を支える今の制度に変えたのです。しかし、少子高齢化が急速に進んだ今、賦課方式のままでは限界を迎えています」

どの年金がいちばんトク? いちばんソン?

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 年金の種類が3つあることは、前述したとおり。加えて1985年に『基礎年金制度』が開始。以後、国民年金は全員加入に切り替えられた。

「職業によっては、ほかの制度にも加入できます」(鈴木教授、以下同)

 上の図を見てほしい。1階部分の国民年金に加え、サラリーマンであれば2階部分の厚生年金に、公務員や私立学校の教職員であれば共済年金に加入できる。彼らは『第2号被保険者』と呼ばれている。

「自営業者や農林水産業にあたる『第1号被保険者』の人たちがもらえるのは、図では1階部分の国民年金だけ。2階部分を作りたければ国民年金基金に加入するなどして、自力で年金を増やさなければなりません」

 ちなみに夫がサラリーマンの専業主婦は『第3号被保険者』。

「ダンナの扶養に入れば、自分で保険料を納めなくても老後に国民年金を受け取ることができるので、大変おトクといえます」

 制度が変わり続ける年金。だから、常に勉強が必要!

「年金の一元化」って何のこと?

 上の図で示すとおり公務員は国民年金プラス共済年金、サラリーマンは国民年金プラス厚生年金をそれぞれ受け取ることができる。

「厚生年金と共済年金をまとめて、厚生年金に統一することを"年金の一元化"」(北村さん、以下同)

 なぜ、ひとつにまとめる必要があるの?

「例えば今のJRやJT、昔でいう旧国鉄や日本たばこ産業は、もともと国が運営していて、会社独自の年金制度がありました。定年退職するときの給料をベースに年金額を計算していたのですが、辞める3か月くらい前から給料が跳ね上がる人が多かったんです」

 ということは、自動的に年金の額も上がることに。

「当然、財政は厳しくなります。実質的な破綻状態になってしまうので、お財布をひとつにしようと平成27年10月から一元化されることが決まりました」

 それまで職域加算として1割ほど多くもらっていた公務員にとって一元化は少しイタイ改革となる。


鈴木亘教授:経済学博士、学習院大学経済学部教授。年金をはじめ社会保障分野のエキスパート。『社会保障亡国論』(講談社現代新書)ほか著書多数