◆蚊取り線香の香りに殺虫・防虫効果はない

『金鳥の渦巻』の大日本除虫菊株式会社の宣伝部によると、

「蚊取り線香の香り自体には、殺虫作用はありません。蚊取り線香の中に練り込まれた殺虫成分が揮散し、煙に乗って拡散することで、蚊を殺虫・忌避しています」

 なぜ、みんなあの香り?

「もともと蚊取り線香は、“除虫菊”という植物で作られており、蚊取り線香に火をつけると、除虫菊が燃える香りがしました。その後、殺虫成分が化学的に合成できるようになり、除虫菊なしでも蚊取り線香が作れるように。でも、それでは昔から親しまれた香りがなくなってしまう。そこで当社は除虫菊の香りを残すために、今でも除虫菊から殺虫成分を除去した後の粉末を練り込んでいます」

 除虫菊の香りを惜しむ声が、今の蚊取り線香の香りのもととなったのだ。

◆ゴキブリは死ぬ瞬間に卵を拡散する

「日本の家庭に出現するクロゴキブリは、中に25~26個の卵が入った卵鞘と呼ばれるさや状のものを産卵します。卵の成長具合によっては、メスの親ゴキブリを叩き潰すと、その勢いで卵が飛び散ることも」

 とは、動物ジャーナリストの藤原尚太郎さん。でもだからといって、駆除せずに逃せば、さらなる大量発生は免れない。いったいどうすればいいの!?

「叩き殺すのではなく、殺虫剤や毒餌剤の使用がおすすめです」

 この方法であれば、卵は飛び散らないというわけ。ゴキブリを見つけたら、スリッパではなく殺虫剤を手に取ろう。

◆セミの声は電話越しに聞こえない

「スマホに限らず電話機が感知できる周波数帯は300~3400ヘルツぐらい。人の会話での音域がそれぐらいであるためです。いっぽう、セミの声は4000~5000ヘルツほど。電話機の高音域を超えるため、セミの鳴き声は拾えず、通話相手にも聞こえません」

 とは、石川県ふれあい昆虫館の石川卓弥さん。スズムシ、コオロギ、キリギリスも4000ヘルツを超えるため聞こえないそう。

「そもそも昆虫が高音で鳴くのは、ほかの生き物があまり使わない音域を使うことで仲間と情報伝達しやすいメリットがあるから」

 ただし最近は、セミの鳴き声も拾える高音域に対応した“高音質スマホ”も登場。新旧スマホを入手して、夏休みの自由研究で調べてもよいかも。

◆“なめくじ”が主役の奇祭がある

 毎年、主に8月に行われる“なめくじ祭”の舞台は岐阜県中津川市加子母にある小郷集落。

「小郷には、平安時代の高僧、文覚上人のお墓があるのですが、昔から1日だけ、墓のまわりになめくじが集まってくる日があるといわれています。文覚上人は出家前、友人の妻の袈裟御前に恋をし、友人を殺めるつもりが間違って、彼女を殺してしまいます。なめくじは袈裟御前の化身で、彼女の命日である旧暦の7月9日に、文覚上人を慕って現れるのです」(加子母総合事務所の梅田紳一郎さん)

 祭りでは、みんなで墓を囲み、夜が更けると姿を現す本物のなめくじを愛でる。

「『なめクジ』という名前の、景品が当たるくじ引きも大人気です」

◆花火のヒュ~♪は笛の音だった!

 各地で開催されている花火大会。花火が打ち上がるときの“ヒュ~”という音で、夏を感じているけど、日本煙火協会の河野晴行さんによると、

「あの音が鳴るのは“昇り笛付き”と呼ばれるタイプの花火です。笛剤と呼ばれる火薬が入ったパイプを、花火の玉の外側につけておき、点火すると、花火の上昇時に燃焼し、笛のような音が出る仕組み。昇り笛付きが最初に登場したのは戦後すぐ。“花火が開花するまでの途中も楽しんでほしい”という職人のアイデアでしょうね」

 それにしても、なぜ笛の音になったの?

「涼しげな笛の音と、ドーンという大音響の打ち上げ音とのコントラストが見る人にウケて、広まったのではないでしょうか」