20151013mynumberhonbun (12)

 今年7月、厚生労働省が発表した『平成26年版 国民生活基礎調査』では、児童のいる世帯の生活意識調査で67・4%が「苦しい」と答えている。とは言っても、子どもは大学に進学させたいところ。どうすれば、学費を捻出&貯蓄できる? そこで、家計再生コンサルタントの横山光昭さんにおススメの方法を教えてもらった。

コレが王道!「奨学金」

「奨学金は、各種ローンに比べ低金利で無利子のものもあります」

 ポピュラーな奨学金制度は日本学生支援機構(旧・日本育英会)。第一種奨学金と第二種奨学金の2種類があり、前者は無利子だが学力と家計を基準とした厳しい審査があり、後者は上限を3%とする利子がつく。第二種のほうは審査がゆるやかで多くの学生が利用している。

「奨学金は高校3年生で申請ができますが、初年度の費用が工面できれば焦って申し込む必要はありません。2年や3年次でも申し込むことは可能ですからお金がピンチになったら借りるようにしましょう」

 奨学金を返済するのは子ども。できれば借入金額は最低限に抑えたい。

「奨学金には、企業や民間団体が行う返さなくていい“給付型”というものもあります。ただし非常に狭き門であることは確かなので、最初からあてにするのはやめましょう」

子どもに負担をかけずに「教育ローン」

「学費の借り入れの優先順位は第1が奨学金、第2が教育ローンです」。

 何かの理由で奨学金の申し込みができなかったり、奨学金だけでは足りない場合、次の一手は教育ローン。民間の銀行、信用金庫、JAなどが提供する教育ローンがあるが、「国の教育ローン」と呼ばれる日本政策金融公庫がポピュラー。

「一般的なローンに比べ使い道が決まっているローンは低金利です。とはいえ奨学金の金利に比べると倍以上違うので、あくまでも奨学金の補助と考えましょう」

 日本学生支援機構、第二種奨学金の金利は0・82%(平成26年度3月末貸与終了者の利率)、一方の国の教育ローンの金利は2・15%。

「奨学金は募集時期が決まっていますが、教育ローンはいつでも申し込め、最短2週間で入金されるという利点があります。しかし、返すのは親ですから、自分たちの老後のことも考えて利用しましょう」

「祖父母から孫へ贈与」年間110万円までは非課税

「祖父母が孫へ贈与する場合、年間110万円までは非課税です。学費や生活費をその都度、支払う場合なら、税はかかりません」

 まとめて先にもらう場合は、2013年に始まった新制度「教育資金の一括贈与非課税措置」を利用するといい。孫や子どもに教育資金を贈った場合、1人あたり1500万円まで贈与税がかからないという仕組み。非課税制度専用口座をもうけ、教育費であることを証明する領収書の提出など手間はかかるが、もらえるものならば利用したい。

緊急事態に借りるなら「生命保険の契約者貸付」

 大学入試は受験費用だけで一般的に30万円ほど、すべり止めの入学金を支払ったら本命の初年度納付金が足りない!

「そんな時に利用するなら、生命保険を担保にお金を借りる“契約者貸付制度”を利用するのも手」

 契約者貸付制度とは払い続けている生命保険で、現在の解約返戻金額に対する一定の割合を限度としてお金を借りることができる制度。貸付利率は保険商品によるが一般的には2~6%。万が一、返済できないときは、保険金や解約返戻金から引かれる。

「借り入れは最小限に!学費が払えないときは大学の学務課に相談」

 大学の学費は高額のため、万が一、払えないときがあるかもしれません。そんな時、黙って滞納せず早めに学務課に相談しましょう。一時的に滞納を認めたり、学校独自の救済方法を提案してくれることもあります。無断で滞納すると退学になるところもあるので注意しましょう。

 また、子どもにアルバイトをさせて学費を負担させることも大事。すべて親が用意しなくてもいいと思います。せっぱ詰まって消費者金融に手を出すことだけはやめましょう。宣伝を聞くと便利なように思えますが、高額な学費を金利18%で借りたら、あとあと大変なことになるのは明らかです。


取材・構成/山崎ますみ 取材協力/清水芽々