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 風邪やインフルエンザが猛威を振るう暖冬。しかし、怖いのはそれだけではない。健康アドバイザーの福田千晶医師によると、“冬バテ”が厄介だという。

 いまや暮れに限らず、現代人は年がら年じゅう忙しく過ごしているご時世。特に主婦の場合、自分のことは後回しになりがち。夫や子ども、両親に舅姑と、家族や親戚に気を配り、家事や子育てに神経をすり減らしている。

「あまり気ぜわしくしていると、交感神経ばかりが働き、慢性的に疲れやすい身体になってしまいます」(福田医師)

 また、日照時間による影響も大きい。日が短くなるため気持ちが落ち込みやすかったり、気温が上がらず、寒さで筋肉の働きが低下することも冬バテの原因になるという。

「人間、疲れているときに“南の島に行ってリフレッシュしよう!”と言うことはあっても、“雪山の中でリフレッシュしよう!”とは思いませんよね。寒い場所では、私たちの身体が無意識に緊張するということがわかっているからなんでしょう」(福田医師)

 冬バテを解消するためには、交感神経優位の状態を断ち切り、副交感神経と均衡を保つことが必要になる。

 しかし、ただでさえ現代人は生活が不規則。ストレスの負荷もかかりやすく、本来であれば意識せずとも調整してくれる自律神経がアンバランスに陥りやすいそうだ。

「規則正しく、バランスよく─というのが本当は理想ですが、毎日そんな生活を送るのも難しい。

 そこで私がオススメしたいのは、自分の“リラックス・スイッチ”を作ることです。寝る3時間前など時間を設定して“これからリラックスするんだ”と言い聞かせながら、自分がくつろげることをやる。簡単なことでいいんです。継続するうちに、やがて苦もなく続けられるようになりますから」(福田医師)

 具体的には、温かい飲み物を飲んだり、お風呂に入ったりして身体を温める方法が挙げられる。

「好きな香りのもの、好きな食べ物など、好きなモノを摂取する方法もひとつの手。また、軽い運動をするのも効果的です。そのほか編み物や塗り絵、写経など、適当な集中力を持てる趣味に興じる方法、ペットと過ごす方法もアリ。できることから始めてみて」(福田医師)

 また、複雑な難しいことではなく、いつでもどこでもできるものがベスト。

「無理のない範囲でないと継続できず、かえってストレスに。楽しんでできる程度のことがいいですよ」(福田医師)