現在Twitterは20万フォロアー超え。歯に衣着せぬ鋭い発言の数々により、ネット上でも常に注目を集めるタレント・フィフィ。タレントとしてメディアと関わりをもつなかで、彼女は一体いまの芸能人のあり方とメディアについて、どのように感じているのだろうか。


 昔は、“プライベート写真”なんかを撮られたら一方的に書かれてしまって、おしまい。自分の私生活の、ごく一部分を切り取ったものを、週刊誌が“この人はこんな日常を送っている”だなんて都合良く勝手に言ってね。悪意をもって書かれているなぁと思っても、それに対して反論する方法もなかったから、週刊誌に書かれることで損しかしなかった。

 でも、いまの時代は撮られたにしても、Twitterやblogとかで反論したり、こっち側からも色々と対応できるから、ダメージがないですね。それに、芸能人のSNSを見ていれば、週刊誌に書いてある内容とウェブ上の情報を照らし合わせて、ズレがあるのがわかるんですよね。だから、いまの芸能人は、悪いことをしていない限り、週刊誌に書かれることを昔みたいに、そこまで恐れていないと思いますよ。

 だけどね、そういう状況が良いかっていうと、そうでもない。自分たちで発信できなかった時代、芸能人っていう存在はヴェールに包まれていましたよね。そして、それが魅力でもあったわけだけど、いまは芸能人が自ら発信できるし、街で見かけたらいくらでも撮られてしまいますからね。そんな状況でですよ、それでも芸能人を無理矢理ヴェールに包もうとしている事務所側のやり方に、ファンはしらけている部分もあるんじゃないですか。

 たとえば、スキャンダルひとつとってみても、いま面白くないですよね。事務所側がいろんな圧力や規制をして、ドラマが始まる前とか、商品のお披露目会の前に炎上させてみたり。要するに、番宣として仕掛けているのがファンに見え見えで。

 はっきり言って、うちらがいる芸能界のお仕事って、もともとはドキドキ感を出さなければいけないはずじゃないですか。それを自分たちで宣伝のためだとか言って仕掛けてやってしまったら、結局、自分たちで芸能界の面白さを低めることになってしまいますよね。

 だいたい、アイドルが恋愛禁止とかやっているのも、そんなご時世じゃないと思いますよ。それが何の効果になっているのか、私にはまったくわからない。その子たちが何をしているのかなんて、もうみんなわかっているんですよ。アイドルたちのプライベートなんて、ドロドロしているのがいくらでも見え透いていますし、バカにされてんじゃないかと思うファンがいてもおかしくない。今更、芸能人が雲の上の存在で、私たちとまったく違う生活を送っているだなんて、誰も思っていませんよ。

 だから、きゃりーちゃんのやり方なんて、すごくイマドキだなぁと思うわけですよね。だって彼女、彼氏がいるのを否定したりしないですよね。それでも、人気は落ちていないんだから。要するに、きゃりーちゃんがイマドキっていうのは、自分で敷居を下げているところなんですよね。テレビに出ているっていっても、私たちはみんなと同じだし、普通だっていうスタンスですよね。Twitterでもよくファンと交流しているし、付き合っている様子も隠していない。昔ながらの“アイドル”や“スター”をつくるっていう時代は、もう終わっていると思いますよ。


<文・構成/岸沙織>