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 カナダ・バリーで行われた『オータムクラシック』で、277・19点という高得点を挙げ、今シーズン初戦を勝利した羽生結弦

「自分が思っていた以上に評価してもらったのかな」

 日本時間16日に行われたフリー演技後のインタビューでは、苦笑いを浮かべながら振り返った。

「ショートプログラムでは4回転トゥーループの着氷で手をついてしまい、回転不足で減点。フリーでも4回転サルコウは成功したものの、2回の4回転トゥーループは手をついたり、転倒したりと成功しなかった。ただ、今回は来週29日から行われるグランプリ(GP)シリーズ・カナダ大会の実戦練習のような場でしたから、こんなものでしょう」(テレビ局関係者)

 今シーズンからは、フリーでは4回転を3回も飛ぶという難易度の高い演技構成にチャレンジしている羽生。しかも、後半に4回転トゥーループからのコンビネーションジャンプを入れており、体力的にはそうとう厳しい組み合わせなのだ。

 羽生は今回の演技に対して反省しながらも、次戦へ向けた思いをこう話す。

「まだまだ4回転3つという構成でしっかり決められないというのは悔しいです。でも、初戦で試合勘もない中での演技で、サルコウとトゥーループの4回転を耐えてしっかり立てたのはひとつの収穫でしたし、次のスケートカナダへ向けて課題が見つかった試合になったと思います」

 まだまだ演技は完成途上のようだが、未来への展望は明るい。

「フィギュアのトップクラス選手は、来年3月に行われる世界選手権にピークを持ってくるように調整しています。なので、今回は50パーセントくらいの仕上がりで、ある意味、精神的に余裕を持って滑っていました。

 それにしても、ぜんそくの持病がある羽生にとって、後半の4回転トゥーループと3回転・1回転・3回転のコンビネーションはとてつもなくキツいはず。それでも、4回転以外は目立ったミスをせず、最後まで滑り切れたのは大きな収穫でしょう。次のカナダ大会にしても、60から70パーセントの出来で臨むでしょうが、今回よりいい演技ができるのは間違いないでしょう」(スポーツライター)