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 11月13日(現地時間)からはフランス大会が開幕し、フィギュアグランプリ(GP)シリーズも折り返し地点に。上位6名でのファイナルへの切符をめぐる争いは、さらに熾烈なものになりそうだ。

 GPシリーズ第2戦カナダ大会は、羽生結弦にとって、悔しさの残る大会だった。ショートプログラム(SP)で痛恨のジャンプ失敗。まさかの6位スタートと出遅れた。元フィギュアスケート選手で解説者の佐野稔氏が振り返る。

「冒頭のトリプルアクセル(3A)はすごくよかったが、基礎点が加算される後半に4回転トゥーループ(T)を入れたプログラムに挑んだ結果、そこで力が入りすぎて2回転になってしまった。その次の3回転ルッツ―3回転Tの連続ジャンプにしても2回転Tになり、ルール違反と判定され、一連のジャンプの得点が0点になってしまった」

 4回転Tが2回転T、3回転Tも2回転Tと、同じジャンプを繰り返したことで、基礎点だけで22.66点を一瞬で失ってしまったのだ。

 翌日のフリーでは3度の4回転ジャンプに挑み、後半の4回転こそ着氷時に右手をついたものの、意地で2回転の連続ジャンプにつなげ、屈辱のSP6位から2位に順位を上げた。

 ただ、ライバルのパトリック・チャンにフリーでも4.04点差をつけられた。2人の通算成績はチャンの5勝3敗となってしまった。

「前日のSPで出遅れ、フリーの演技の順番がトップとなってしまったことも敗因のひとつ。どうしても、最初の演技者の採点がその後の基準となるので、得点が抑えられやすい」(スポーツ紙記者)

 フリーの技術点こそ、羽生は3.18点、上回っている。だが、演技点で6.22という点差が生まれたことが気になるが……。

「チャンはもともと演技構成点で稼ぐことに長けているが、1年休養し、さらにその術が飛躍的に向上しましたね。ジャンプのミスがなく、完璧にこなしていた。やはりノーミスで滑り切ると、演技構成点というのは、どうしても高くなりやすい」(前出・佐野氏)

 だが、今回の敗戦は悲観する内容ではないと続ける。

「今季の羽生クンが取り組んでいる課題は、チャンよりももっと難しい。ぽろぽろとミスが出ていたので、まだ自分のものにできていないなとは感じました。やはりショートはノーミスでやり切らないと。フリーにしても、4回転が3つ入ったわけですから、もっと滑り込んで今のプログラムを自分のものにしてほしい。今のフィギュアはミスをすると勝てないもの。チャンが難易度のやさしいジャンプの構成でミスなく上手に滑り、点数が上回ったということ。まったく心配していません」