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 1年間の休養を経て、自慢のトリプルアクセル(3A)に磨きをかけた浅田真央。グランプリ(GP)シリーズ第3戦中国杯優勝の勢いに乗り、第6戦NHK杯でも結果を出し、12月にスペインで開かれるGPファイナル進出を狙う。

 ルッツの踏切違反など不安材料があるものの、今季3戦目。浅田も調子を上げてくるに違いない。

「3Aを決めてくればNHK杯も優勝できると思います。でもGPファイナルとか世界選手権となると、点差も広がらないですし、この前のようにフリーでミスをしちゃうと(中国杯のように)逃げきれないと思います。早く休養前の感覚を取り戻してほしいですね」(元フィギュアスケート日本代表の渡部絵美氏)

 NHK杯には、もう1人のチャンピオン、ソチ金メダリストの羽生結弦も参戦する。

「羽生にとってGPシリーズ初戦となったカナダ大会は、SPではジャンプで違反を犯してしまい、基礎点22.66点を一瞬で失い合計73.25点という驚くほど低い点で6位と出遅れ。フリーでは3度の4回転ジャンプに挑み、後半の4回転こそ着氷時に右手をついてしまいましたが、2位まで順位を上げました。ですが、ライバルのパトリック・チャンにはフリーでも4.04点差をつけられ、彼にとって屈辱的な敗戦だったのは間違いないでしょう」(スポーツ紙記者)

 試合後のインタビューでは、反省という言葉を多く使った羽生。だが、元フィギュアスケート日本代表で解説者の佐野稔氏は、今回のNHK杯での巻き返しを期待している。

「カナダ大会のようなミスは2度としないでしょう。今回はハビエル・フェルナンデスもチャンも出場していない。ここでは格が違いますから」

 GPファイナル出場へ向け、負けられない戦いとなる今回。注意する選手として、佐野氏は2人の名前を挙げた。

「まずは、ロシアのマキシム・コフトゥン。彼は今までクラシックな、言うなればロシアの正統派スタイルだったんだけど、今年から柔らかい感じになり、演技に面白さが出てきた。そして、怖さでいえば中国のボゥヤン・ジン。

 4回転ルッツと3回転トゥーループのコンビネーションジャンプをピシャッと決めているからね。これだけで19点はいく大技。まだ、18歳と若く荒削りな部分があるけど、'18年の平昌オリンピックのころには、羽生くんの強力なライバルの1人になっているんじゃないでしょうか」

 羽生には今シーズンは初めてとなる日本での大会。体調面も上向いているようだ。

「羽生くんは口に出しませんでしたが、カナダ大会は持病である喘息の発作が出て、かなり体調がよくなかったようです。尊敬するプルシェンコ選手をマネて、男子では珍しく背中をそらしてエッジを持つ“ビールマンスピン”をしていますが、腰に持病がある彼はおそらく今シーズンがこの技の見納めになるのでは。

 現にプルシェンコも20歳くらいで、この技をしなくなりましたからね。今回は久々の日本での試合ですから、金メダリストとしての“王者の舞”を目に焼きつけてほしいですね」(連盟関係者)