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 昨年9月24日に、胆管がんのため54歳という早すぎる死を迎えた、川島なお美さん。女優であり続ける自分には厳しかった一方で、後輩には優しい一面があったという。

「病気の再発を隠して、最後まで女優として舞台に立ち続けようとしていました。夫の鎧塚俊彦さんも、その“女優としての生きざまは、もう誰にも止めることはできなかった”と話されていましたね」(芸能プロ関係者)

 '03年のドラマ『特命係長 只野仁』(テレビ朝日系)で、川島さんと共演したグラビアアイドルでタレントの山口愛実が、川島さんとのエピソードを明かしてくれた。

「現場には、川島さんと主演の高橋克典さんがいらっしゃいました。2人とも大先輩ですし、新人の私は初めてドラマに出演することもあり緊張していました」

 撮影したシーンでは、川島さんは絵画ギャラリーの経営者を演じ、山口はそこの従業員を演じたという。そんな中、山口にとって不都合なハプニングが起きてしまったと振り返る。

「用意された衣装の靴が小さくて困っていたんです。でも、新人の立場で恐縮してしまい衣装さんに靴を替えてほしいと言えなくて……。そんな私を見かねて川島さんが“ねぇ、彼女の靴を替えてあげて”とスタッフの人におっしゃってくださいました。

 また、演じるにあたって“自分に自信を持ちなさい”ともおっしゃってくださり、おかげで緊張が解けて自信を持ってお芝居ができました」(山口愛美)

 新人女優にも目を配る川島さんのこまやかさに驚く。スタッフへの気遣いも忘れなかった。

「彼女は今までかかわった仕事仲間や友人の誕生日を忘れないで、ちゃんと祝う人でした。友人の家でホームパーティーが開かれたときも、料理を作ってくれて、片づけまでもして。そんな人だったんです」(川島さんの知人)

 昨年11月、彼女の『バースデーライブ』と銘打った追悼ライブが開催されたのも、そんな所以があったという。

「本人がいなくてもバースデーライブを開催するに至ったのは、彼女がそれだけ周りに律義だったことが理由でしょう」(川島さんの知人)