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 2012年、天皇陛下の心臓冠動脈バイパス手術を執刀した順天堂大学医学部の心臓血管外科教授・天野篤医師。

 テニスも当たり前のようにされるようになった現在の陛下の体調ついて、こう述べる。

「2013年のインドご訪問でも往復の特別機での移動は除いて、同年代の一般の方の旅行よりもハードな日程だったと思います。それを、問題なくこなされたということは、お元気だということだと思います」

 陛下も、2013年12月23日の80歳のお誕生日会見で、ご公務について「今のところしばらくこのままでいきたいと思っています」と明言。

 天野さんの意図どおりに、手術を受けられたことを忘れるほど、ご体調がいいのだろう。しかし、天野さんの頭から離れない出来事もあるという。

「陛下の手術前に、両陛下にご説明をしたときのことです。陛下より美智子さまから手術に伴うリスクの質問が多かったと思いますが、そのときは緊張で、背中から滝のような汗が流れていたのを覚えていますね」

 著書『熱く生きる』では、陛下の手術に携わり、次のようなことも印象に残ったと記してある。

《陛下は(略)ひとつひとつ行われるご公務への取り組みが、すべて公平無私である。いかなることがあっても、最終的に目の前に出てきたことはすべて等しく、丁寧にご自分のなかで受け止めていらっしゃる》

 そんなお姿から、初心へ戻ることを学び、天野さんは自ら『医師道』を強く意識するようになったそうだ。

 著書によれば、天野さんが考える『医師道』とは、「みずからを極限までに追い込んで、高い能力を発揮できる心と力」で、困難な状況にも自然体で接することだという。